かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第21回 平野三奈子さんと、こだまくん

しっぽに目がくぎ付け! 優雅なたたずまいの「こだまさま」

 「私、もともと猫はだいっ嫌いだったんですよ」。言葉とは裏腹に、何とも楽しそうな口調で話すのは、東京都内でパラリーガルとして働く平野三奈子さん。正確には、猫と全く接点がなかったため、特に何の感情も持っていなかったそうです。でもそれも過去の話。平野さんをすっかり猫好きに変えたのが、14年前から一緒に暮らすこだまくんです。中学1年生の娘さんにとっては、お兄ちゃんのような存在でもあります。

 まず目を引くのは、キツネのようにふわっふわのしっぽ! 毛は柔らかくて長く、たてがみに覆われたような顔立ちにはライオンさながらの風格も漂います。それでいて、こちらを見つめるまなざしはとても優しげ。「全く人見知りしなくて、お客さんが来たら玄関まで出迎えて、ダイニングテーブルに並んで座ったりします。私の友人や知人からはなぜか『こだまさま』って言われているんですよ」と平野さん。確かに、独特の優雅なたたずまいを見ていると、そう呼びたくなるのもうなずけます。

 14歳と高齢ですが、特に持病もなく至って元気なこだまくん。しかし、過去には病院に何度もお世話になる大変な出来事を乗り越えていました。そもそも平野さんが出会ったとき、その命の火はほとんど消えかかっていたのです。

このふわふわっぷり…たまりません
このふわふわっぷり…たまりません
こちらをまっすぐ見つめるまなざしが印象的
こちらをまっすぐ見つめるまなざしが印象的