かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第18回 髙野昭子さんと、むぎちゃくん、凉(すず)ちゃん、ぎんなんちゃん、たまごくん

髙野家の美猫シスターズ、凉(すず)ちゃん(左)とぎんなんちゃん。「うちの猫は女の子ふたりが活発です」
髙野家の美猫シスターズ、凉(すず)ちゃん(左)とぎんなんちゃん。「うちの猫は女の子ふたりが活発です」

マイペースな4にゃんがくつろぐ「ねこカフェたかの」

 「ねこカフェたかの」。大手IT企業でシステムエンジニア(SE)として働く髙野昭子さんの自宅は、友人たちからそう呼ばれているそうです。リビングを見渡すと、思い思いの場所でくつろぐ猫が4匹。テーブル、椅子、キャットタワー、爪とぎベッドの上……。見知らぬ人がやってきても気にする様子は全くありません。椅子の上で気持ちよさそうに丸くなって寝ている茶トラの背中をなでると、ぐるんとひっくり返っておなかを見せる「へそ天」ポーズ。そ、そんなに気を許しちゃっていいんですかー?

 どっしり構えた大物っぷりを見せてくれたのは、むぎちゃくん、7歳。4匹の中で一番のお兄ちゃんです。むぎちゃくんと約1カ月違いで髙野家にやってきたのが、三毛猫のすずちゃん。「凉」という漢字を使うことは、命名した長女のこだわりだったそう。ソマリのぎんなんちゃんは6歳。少し年が離れた「末っ子」がスコティッシュフォールドのたまごくん、2歳です。

 「むぎちゃとすずは仲良し。ぎんなんは猫よりも人のほうが好きで、他の3匹とは距離を取っていますね。たまごはまだ遊びたい盛りなので、お兄ちゃん、お姉ちゃんたちにちょっかいを出してはシャーって怒られる。でも懲りずにまた行くんです」。四者四様の猫たちを見ているのは楽しく、「みんな違うからいいんだなって教えられます」と髙野さん。「それに猫は裏表がないですから、ちゃんと愛情をかけたらこちらのことを信じてくれる。人間の子どもたちは大変ですよ、隠したり、うそをついたりしますからね(笑)」

 髙野さんには21歳の長女、専門学校1年生の長男、高校1年生の次女がいます。今でこそ長女は独立、長男と次女も手のかからない年齢になりましたが、SEは残業も多いハードワーク。共働きでの3人の子育ては戦争のような日々だったそうです。それでも冬には決まってみんなでスキーに行くなど、家族5人、にぎやかに暮らしていました。

 そんな生活が急変したのは7年前の冬。髙野さんが遅い時間まで残業していると、長女から「父ちゃんが、肺がすごく痛いと言っている」と電話がかかってきました。

髙野さんがテレワーク用に買った椅子は、あっという間にすずちゃんのものに…
髙野さんがテレワーク用に買った椅子は、あっという間にすずちゃんのものに…
「長男」の貫禄が漂うむぎちゃくん。すずちゃんに椅子を取られてしまった髙野さんが次に購入したのがこの椅子でしたが、「オレのですけど、何か?」
「長男」の貫禄が漂うむぎちゃくん。すずちゃんに椅子を取られてしまった髙野さんが次に購入したのがこの椅子でしたが、「オレのですけど、何か?」
たまごくんはS字型の爪とぎにはまって寝るのが大好き
たまごくんはS字型の爪とぎにはまって寝るのが大好き