家中をかじるやんちゃ娘 気持ちが通じ合えると幸せ

 東京に戻ってからは大学教員の秘書として働いている大村さん。ピョロ美ちゃんは朝晩の「放鳥タイム」になると、部屋の中を自由に飛び回ることができますが、大村さんが仕事に行く前には鳥かごに戻ってもらわなくてはいけません。

 言うことを素直に聞いた先代に対し、ピョロ美ちゃんには抵抗されることも多いそう。加えてピョロ美ちゃんの「得意技」は何でもかじること。和室の障子はボロボロでつい最近張り替えたばかり、ぬりかべや階段の上の吹き抜けの梁(はり)にも、よく見るとくちばしで刻まれた細かい傷痕が……。カレンダーやノートなど、目に付くところにある紙類ももれなくピョロ美ちゃんのえじき。かれんな見た目に似つかわしくない、相当なやんちゃ娘のようです。

大村さんの夫が作った「ピョロちゃんランド」でご機嫌。メスはあまり言葉をしゃべらないそうだが、人間たちの会話が盛り上がっていると、「こっちも構って!」とばかりに「ピョロちゃん」「ピョロジロウ」と言い出したり、唐突にガスの着火音や蛇口の水音を再現したり。かわい過ぎる言動から目が離せない
大村さんの夫が作った「ピョロちゃんランド」でご機嫌。メスはあまり言葉をしゃべらないそうだが、人間たちの会話が盛り上がっていると、「こっちも構って!」とばかりに「ピョロちゃん」「ピョロジロウ」と言い出したり、唐突にガスの着火音や蛇口の水音を再現したり。かわい過ぎる言動から目が離せない
なんと…ツボ押し中
なんと…ツボ押し中
旅行好きの大村夫妻は、国内旅行はほぼピョロ美ちゃんも一緒。3年前の秋には飛行機に乗って石垣島まで旅したそう! 「滞在中は部屋の中で放したり、小さいゲージに入れて一緒に海を散歩したり。人間に付き合わせちゃっているだけかもしれないけれど、旅の思い出を共有できた気がしてうれしかったです」
旅行好きの大村夫妻は、国内旅行はほぼピョロ美ちゃんも一緒。3年前の秋には飛行機に乗って石垣島まで旅したそう! 「滞在中は部屋の中で放したり、小さいゲージに入れて一緒に海を散歩したり。人間に付き合わせちゃっているだけかもしれないけれど、旅の思い出を共有できた気がしてうれしかったです」

 取材中に鳥かごから出してもらうと、キッチンカウンターの横に設置されたバードアスレチック、通称「ピョロちゃんランド」に止まってご機嫌でさえずり始めるピョロ美ちゃん。かと思うと、大村さんの頭の上や肩にひらりと舞い降り、顔をのぞき込むように小首をかしげます。

 「こんなに小さいのに存在感は大きいというか。ピョロは割と人の話を聞いていて、『今、返事した?』って思うときがあるんです。帰宅すると『おかえりー!』みたいな感じでビービー鳴くし、私が片頭痛で寝込んでいると、そばに飛んできて一緒に寝てくれる。そういうのはすごくうれしいですね」

お気に入りの時間

(写真上)「ピョロ美は、体から麦みたいな匂いがするんです。特に日差しや風に当てると、ふわーっと漂ってくる。顔を近づけて、ふわふわの羽に顔をなでられながらその匂いをかぐと、すごく癒やされます」
(写真上)「ピョロ美は、体から麦みたいな匂いがするんです。特に日差しや風に当てると、ふわーっと漂ってくる。顔を近づけて、ふわふわの羽に顔をなでられながらその匂いをかぐと、すごく癒やされます」
(写真下)おいしそうにご飯を食べている姿を眺めるのが大村さんの幸せなひととき。小さな体になるべく負担のないようにと、無農薬栽培のものなどを選ぶようにしている。「オーツ麦やオーチャードグラス、粟穂などが好物ですが、一般にはあまり出回らない乾燥前の『緑穂』と呼ばれるものもよく食べるので、北海道の農家から取り寄せています」