かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第17回 三井三奈子さんと、シロくん、夢子ちゃん

 フリーランスで美容系メディアの編集をしている三井三奈子さんは、2匹の白猫と暮らしています。推定9~10歳の夢子ちゃんと、4歳のシロくん親子。夢子ちゃんは幸運を呼ぶといわれるオッドアイの持ち主。シロくんは水晶のようなまん丸の目がチャームポイントです。2匹とも警戒心が強く、一緒に暮らして3年ほどになる三井さんにも甘えてくることはないのだとか。「うちはペットというよりも、仲間っていう感覚かな」

 2016年の冬、最初に三井さんの元へやってきたのはシロくん。初めて対面したのは、千葉県にある大きな公園でした。

 「今ではすっかり『ボク、最初からこのうちの子です』みたいな顔していますけど、シロの第一印象は目つきが超悪くて、子猫でこんなに人相の悪い子っているのかという感じで。運命的な出会い? 全然ですよ!」。そう言って何かを思い出したように笑い出す三井さん。一体何が?

左右で目の色が違う、オッドアイの夢子ちゃん
左右で目の色が違う、オッドアイの夢子ちゃん
シロくんの大きな青い瞳は吸い込まれそうな美しさ。でも出会ったときのニャン相(人相)はまるで違ったそうです
シロくんの大きな青い瞳は吸い込まれそうな美しさ。でも出会ったときのニャン相(人相)はまるで違ったそうです

保護猫カフェで気に入った子を見つけるも、面談で…

 以前から猫と暮らしたかったものの、「飼うならペットショップではなく近所で出会う子」と思っていたらなかなか縁がなかったという三井さん。40代半ばを過ぎ、終生面倒を見ることを考えるとそろそろラストチャンスかもしれないと、保護猫の譲渡を行っているカフェに友人と出掛けることにしました。

 「事前にネットで見た真っ白な男の子がいいなと思っていたのですが、私が独身だということで、面談したスタッフの方に『出張のときは誰が面倒見るんですか?』『もし今後結婚して相手が猫アレルギーだったらどうするんですか?』などと厳しい口調でたたみかけられて。責任持って飼えるかどうかを確かめるためというのは分かるのですが、結局心が折れかかって、とぼとぼ家に帰りました」

 そのとき一緒に行った友人がその後、とある保護動物仲介サイトで似た子猫を発見。話を聞いた三井さんは、その子がいる千葉の公園へ向かいます。住んでいる東京・世田谷区からは電車を乗り継いで約2時間。生後約5カ月のシロくんは、母猫ときょうだい数匹とともに、園内の売店で働く人たちにお世話してもらって暮らしていました。