かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。
第4回 萩野佳央理さんと、ジョルくん、アレくん
犬たちといつでも海へ ロケーションに引かれて移住
マンションのエントランスを出ると、目の前には湘南の海! 日常の慌ただしさを一瞬で忘れさせてくれるぜいたくなロケーションは、今から8年前、萩野佳央理さんが夫と2匹の犬たちとともに東京を離れる決断をするのに十分な理由でした。
「鎌倉に引っ越した知り合いのところへ遊びに行くうちに、いいところだな、私たちも引っ越したいなあと思うようになっていたんです。それと、当時ジョルがアトピー性皮膚炎で目や耳が荒れていたのですが、週末に南房総に出かけたりして、海の中に入るとよくなったんですね。このマンションならいつでも海に遊びに行けるね、と」
ジョルとは、ミニチュアダックスフントのジョルジョくんのこと。そしてもう1匹、同じ犬種のアレッサンドロくんは通称アレ。ともに14歳の男の子、姿かたちもよく似た兄弟のような2匹ですが、萩野家にやってきたのはジョルくんのほうが先です。日中ひとりで過ごすのは寂しいだろうということで、半年後にアレくんが家族に加わりました。
「この14年、引っ越しは何回もしましたが、鎌倉に来てからが2匹とも一番幸せを感じているんじゃないかな。すっかりおじいちゃんで、ジョルはあんまり耳が聞こえないし、アレも目が見えていないけれど、ベランダで日なたぼっこをしたり、週に1回くらい海岸をお散歩したり、穏やかに過ごしています」