かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第3回 佐々木明美さんと、タローくん

 東京の目黒区と品川区をまたいで東西700メートルに細長く広がる、林試の森公園。空高く伸びる緑の木立に覆われた静かな園内は、愛犬家たちに人気のお散歩スポットになっています。佐々木明美さんとミニチュアシュナウザーのタローくんも、ここを訪れるのが日課。愛らしいヤマブキの花が傍らを彩る道を、一人と一匹がゆっくりと進んでいきます。

 タローくんは今年で14歳。若い頃に比べて歩くペースは倍の遅さになり、お友達のワンちゃんに会ってはしゃぐことも今はほとんどなくなりました。「だいぶ耳も遠くなったみたい。でもこうやって一歩一歩、懸命に歩くんですよ。食欲も旺盛で、そんなタローの姿に『命』を感じる毎日です」

「このママ犬の子だったら、飼ってもいいかな」

 佐々木さんは15年前、公園の近くに家を建てて夫と移り住みました。同じ時期に引っ越してきた2軒隣のTさんの家が、タローくんの実家です。「Tさんとご近所付き合いをしているうちに、飼い犬に子どもを産ませることにしたので、もらってほしいと言われたんです。

 私も犬が大好きで飼っていたこともありますが、面倒を見る大変さも十分分かっていたので、もともと飼うつもりはありませんでした。でも、そのママ犬があまりにも穏やかないい子だったので、この子の子どもだったら育てたいなと思いました」

(写真上)林試の森公園は、都心にいることを忘れそうなほど自然の息吹を感じられる場所。高齢のタローくんとのんびりお散歩するのにぴったり(写真下)足が弱っているため、段差では佐々木さんが優しくお尻を押してサポート