かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。
第15回 いしまるあきこさんと、しろちゃん、くろちゃん、ものくろちゃん、しまちゃん、みけちゃん
昔懐かしい昭和の住空間になじむ猫、猫、猫
「平井ねこのいえ」。一級建築士のいしまるあきこさんが、東京都江戸川区平井にある自宅兼事務所につけた名前です。何ともストレートなネーミング、どんな場所なのか気になる……興味津々で訪ねると、そこは荒川沿いの住宅地に残る、築60年越えの平屋。昭和の空気が漂う空間に足を踏み入れれば、玄関前の三畳間の毛布の上、続きの四畳半の壁にある棚の中、そして頭上の梁(はり)の上と、あっちにもこっちにも猫、猫、猫! 思い思いの場所でくつろぐその姿を見ると、ここはまさに「ねこのいえ」だなと納得です。
いしまる家の猫は総勢5匹。しろ(オス、6歳)、くろ(メス、6歳、しろときょうだい)、ものくろ(メス、5歳、通称もーちゃん)、しま(オス、5歳)、みけ(メス、4歳、通称みーちゃん)。さらに昨年からは、保護した「こねちゃん」も里親募集中で同居。夫婦二人と猫だくさんの暮らしの始まりは、2013年のことでした。
「当時まだ交際中だった夫が住んでいた家の裏で、外で暮らすおばあちゃん白猫がしろちゃんとくろちゃんを生んで、そのまま置いていってしまったんです。もともと動物は大好きでしたが、仕事もそれなりに忙しいし、それまでは動物を飼うつもりはありませんでした。でも、生まれたばかりで目も開くか開かないかの2匹が目の前でミイミイ鳴いている。二人でとにかくこの命を救わなきゃという状況でした」