かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第14回 水澤麻里子さんと、どんぐりくん、ほたてちゃん、チロくん

水澤麻里子さんと夫の賢太さん、3人の娘たち。猫は右からどんぐりくん、ほたてちゃん、チロくん
水澤麻里子さんと夫の賢太さん、3人の娘たち。猫は右からどんぐりくん、ほたてちゃん、チロくん

にぎやかな声が響くリビングの片隅でのんびりお昼寝

 一軒家の2階にある日当たりのよいリビングは、あっちで甲高いはしゃぎ声がしていたかと思うと、こっちでは赤ちゃんがワーッと大泣き。団体職員の水澤麻里子さんが、会社員の夫・賢太さん、小3、4歳、1歳の娘たちと暮らす家は、絶えずにぎやかな音に包まれています。リビングからロフトに続く階段の下をのぞくと、そんな周りの様子などどこ吹く風とばかりに、寄り添って丸くなる3匹の猫が。15歳のどんぐりくんと14歳のほたてちゃん、そして4年前から同居している麻里子さんの母親が住んでいた沖縄から連れてきた、12歳のチロくんです。「みんなだいぶ年を取って、寝ていることが多くなりましたね」と麻里子さんは目を細めます。

 どんぐり、ほたて、うにごろう、たらこ、みかん。天国に旅立った子も含めて、これまで麻里子さんが一緒に暮らしてきた猫の名前です。いずれもまだ結婚する前、賢太さんと一緒に暮らしているときに「出会ってしまった」捨て猫たちでした。「結婚前で子どももいないし、全愛情が猫に向かっていました。あの頃も幸せだったよね」という賢太さんの言葉に、麻里子さんもうなずきます。

 5年前に中古で購入した際にリノベーションを施した家は、窓に脱走防止の格子を付け、トイレの1つを猫用のトイレ空間に改装するなど、猫のための工夫が随所に施されています。何とも猫愛あふれる空間ですが、もともと猫が好きだったのは麻里子さんだけで、賢太さんは以前は猫嫌いだったそう。それがなぜ、たくさんの猫と暮らすように?

モフモフの3匹が仲良くお休み中。ほたてちゃんだけ「何見てるの~?」
モフモフの3匹が仲良くお休み中。ほたてちゃんだけ「何見てるの~?」
末っ子の明里(あかり)ちゃんは猫が何かと気になるお年ごろ。寝ているときにちょっかいを出されても、どんぐりくんは辛抱強く我慢するそうです
末っ子の明里(あかり)ちゃんは猫が何かと気になるお年ごろ。寝ているときにちょっかいを出されても、どんぐりくんは辛抱強く我慢するそうです