動物好きに育った娘たち、長女の夢は獣医
物心ついたときから猫と暮らす生活は、子どもたちにも少なからず影響を与えているといいます。「猫たちに興味を持って触ったり、かわいがったりしているのを見ると、動物がいてよかったなと思います。特に彩乃は生き物が大好きで、夢は獣医なんですよ」
「ねえねえ、あずきのことも見てー!」。そう彩乃ちゃんに誘われて子ども部屋に行くと、そこにいたのはモルモットのあずきくん。「お世話をするからどうしても飼いたい」と1年がかりで両親を説得し、今年1月から家族に加わりました。さらに水槽にはカメにイモリにドジョウにヨシノボリなどなど、水澤家はさながら動物王国! 麻里子さんは3人の子どものお世話でてんてこ舞いのため、生き物の面倒は彩乃ちゃんと次女の茜ちゃんが頑張ってみています。特に彩乃ちゃんは毎朝猫のトイレ掃除を担当するなど、頼もしい存在です。「茜がまだ手加減を知らなくて猫を強めになでたりすることがあるんですけど、そういうときは彩乃が『痛がってるよ』と諭したりしていますね」
それにしても、動物を含めてこんなに大家族になるとは思っていませんでした、と笑う麻里子さん。「最初に飼ったのが、人懐っこいどんぐりですごくよかったと思います」。どんぐりくんがいなかったら、賢太さんは猫が苦手なままだったかもしれないし、その後出会った猫たちと暮らす決断もしなかったかもしれない――。大家族の始まりとなった出会いから15年。ガリガリにやせていた子猫は元気に長生きし、今は日々穏やかに過ごしながら「妹たち」の成長を静かに見守っています。
取材・文/谷口絵美(日経ARIA編集部) 写真/鈴木愛子