引っ越した先でも毎年のように「出会い」が

 どんぐりくんの気立てのよさに触れ、めでたく猫好きになった賢太さんと共に、二人と1匹の暮らしを楽しんでいた麻里子さん。翌年、川の近くにあるマンションに引っ越すと、今度は土手で3匹の捨て猫に遭遇します。あまりにも小さく、風邪を引いて目が開かない子も。どうしても見過ごすことができず病院へ連れて行きます。もらい手を探したものの見つからず、1匹は麻里子さんの実家の沖縄で面倒を見てもらうことにし、後の2匹は飼うことに。そのうちの1匹がほたてちゃんです。

 さすがにこれ以上飼うことはないだろうと思っていた麻里子さんでしたが、「また翌年、二人で仕事帰りに待ち合わせて家に帰る途中、土手で出会ってしまったんです」。その日は立ち去ったものの、翌日、代休で家にいた賢太さんは雨が降り出してきたので気になって様子を見に行きます。

 「私も会社で気になっていて、夫に『猫見に行った?』ってメールしたんです。そうしたら『もう、うちにいる』って(笑)

 結婚前に、まさかの4匹の猫たちとの同居! 「猫が子どもみたいで楽しかったです。結婚はしていないけど、家族みたいな感覚でした

長女の彩乃ちゃんが赤ちゃんのときの写真には、そばに寄り添う猫たちの姿が
長女の彩乃ちゃんが赤ちゃんのときの写真には、そばに寄り添う猫たちの姿が
リビングの横にあったトイレを猫用のトイレ空間に改装。毎朝、彩乃ちゃんがきれいに掃除している
リビングの横にあったトイレを猫用のトイレ空間に改装。毎朝、彩乃ちゃんがきれいに掃除している

 その後二人は結婚。長女の彩乃ちゃんが生まれると、どんぐりくんは子守をするように、いつも赤ちゃんに寄り添っていました。その一方で、「大変だったのが、ほたてのきょうだいで3年前に死んだうにごろう。ものすごいやきもち焼きで、彩乃のベビーカーやベビーベッドによくおしっこをしていました」。

 ちなみにほたてちゃんは一風変わった性格で、昔も今も人には全くの無関心。麻里子さんたちが触ろうとすると、いまだに本気で嫌そうな顔をするのだそうです。

お気に入りの時間

「今は日々子どもたちの世話に追われてあまり猫たちとゆっくり過ごす時間が取れないのですが、イスに座ってお茶を飲んで一息入れていると、どんぐりが膝に乗ってくるときがあって。それが私の大好きな時間です」
「今は日々子どもたちの世話に追われてあまり猫たちとゆっくり過ごす時間が取れないのですが、イスに座ってお茶を飲んで一息入れていると、どんぐりが膝に乗ってくるときがあって。それが私の大好きな時間です」