かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。

第23回 中林由恵さんと、うみまるくん、しおんちゃん

 中林由恵さんと夫の佐藤幸二さん、うみまるくん(左)としおんちゃん。どちらも由恵さんが好きな海にちなんで名づけたそうで、しおんちゃんは漢字で表すと「潮音」になる

 木立に囲まれるように建物が点在する、軽井沢の静かな別荘地。目指すお宅に到着すると、大きなガラス窓越しに、ふわっふわの毛に包まれた2匹の猫が仲良く並んでこちらをじっと見ています。リゾート感あふれる光景に溶け込む猫たちの何と絵になること! インターネット関連の会社で働く中林由恵さんと夫の佐藤幸二さんのワーケーションに「同行中」の、うみまるくん(3歳)としおんちゃん(2歳)です。

都会暮らしとは正反対の環境を人も猫も満喫

 「ここは友人の別荘で、長期間借りて滞在するのは初めてです。会社が2020年10月から完全テレワークになったので、本格的にワーケーションをしてみようかなと思い立って。夫は自分で会社をやっていて、もともと在宅での仕事が中心なので、猫たちも連れてみんなで車で来ました。2週間ほど過ごす予定です」

 猫は家につくと言われ、知らない場所は苦手なものですが、広々としたリビングで思い思いに過ごす2匹はとてもリラックスした様子です。「うみまるは最初から落ち着いていましたが、しおんは車の長時間移動も負担だったのか、着いたときは元気がなくて。すごく寒かったし、風邪でもひいたら大変だと心配でした」と由恵さん。この日はすで滞在も終盤だったので、どうやら新しい環境にもすっかり慣れていたようです。

うみまるくんは「はじめまして」から1分でこのポーズ。ハートを射抜かれます
うみまるくんは「はじめまして」から1分でこのポーズ。ハートを射抜かれます
おてんば娘のしおんちゃん
おてんば娘のしおんちゃん
仲良く外を観察
仲良く外を観察

 「昨日は外のデッキにリスがやってきて、2匹とも窓に張り付いて見ていたんですよ」「そうそう、普通の2倍くらいありそうな大きなリスだったよね」。そんなふうに話しながら、2匹の様子に目を細める由恵さんと幸二さん。もちろん、普段暮らしている都心のマンションとは全く違う自然豊かな環境を楽しんでいるのは人も同じです。

 「軽井沢に来てからは、本当に仕事に集中できています。とにかく静かなので、時間があっという間に過ぎていく。夕方に仕事を終えたら車で買い物に行って、ご飯を作って、静かにテレビを見て、寝る。すごくメリハリの付いた生活です。

 都会のエネルギーが好きであえてそういう場所を住まいに選んでいたのですが、ここで全く違う暮らしを体験して、今後、働き方も含めてどうしていきたいのか見つめ直すきっかけになりました。昨日も夜な夜な、夫といろんなことを語り合いました」