「猫に枕を譲る夫」は新鮮な発見

 会社の顔として活躍しているだけあって、ブリ丸くんもおでんくんも、カメラを向ければしっかり目線をくれる堂に入ったモデルぶり。でも、伊豫さんがじゃらすおもちゃで夢中になって遊ぶおでんくんに対し、ブリ丸くんは途中から離れたところでこちらをじっと見つめる観察モードに入りました。あれ、最初はあんなにフレンドリーにあいさつしてくれたのに?

 「たぶんそれで役目は果たしたと思っているんだと思います。ブリちゃんはひとりで静かに過ごすのが好きなタイプ。頭が良くて意志が強くて、嫌なことは嫌だ! と自己主張も強いです。一方のおでんちゃんは甘えん坊の弟キャラなので、ブリちゃんに構ってほしくて仕方がありません。それでよくしつこくしてはブリちゃんにうざがられています(笑)」

お兄ちゃんのやることは僕もまねしたい!とブリ丸くんの行く先についていくおでんくん
お兄ちゃんのやることは僕もまねしたい!とブリ丸くんの行く先についていくおでんくん

 ちなみに初めて猫と暮らすことになった夫はブリ丸くんを溺愛。もちろんおでんくんもかわいがっていますが、「すべてがブリちゃん最優先で、私以上にブリちゃんと絆を結んでいます。ちょっと夫にジェラシーですね」と伊豫さん。「ブリちゃんは夫の枕が大好きで、枕の上で寝ちゃうんですけど、そうすると彼は枕から落ちて寝ています。優しい人だとは思っていましたが、ここまで生き物を大事にするんだっていうのは新たな発見でした

 今年は長期旅行で、初めて2匹と長く離れる予定があるといいます。「そのときは母に泊まりに来てもらいますが、たぶん気になって、Catlogを見まくると思います。会えないのはつらいですが、そういうときのほうがきっと利用者のニーズが分かりますね

ブリ丸くん&おでんくんのごちそう【トリムネ】
 ブリ丸くんとおでんくんには覚えている言葉があるそうです。それは、「ご飯」「カシャぶん(おもちゃの名前)」、そして「トリムネ」。小さい頃からゆでた鶏の胸肉やササミ肉をあげると大喜びし、以来、大好きな鶏肉は全部「トリムネ」で覚えて反応するようになりました。最近お気に入りの「トリムネ」は、フリーズドライの鶏ササミ肉。伊豫さんがつぶやいた言葉を聞きつけて、離れた場所にいた2匹がもらえると気付いて飛んできました。「ブリちゃんはご飯のときに、お手やタッチができるんですよ」と伊豫さん(真ん中の写真がタッチの瞬間!)。食欲旺盛なおでんくんは、自分のトリムネをあっという間に食べてしまい、ブリ丸くんのところへ「突撃」していました。

取材・文/谷口絵美(日経ARIA編集部) 写真/鈴木愛子