仕事、お金、暮らし、老後…ARIA世代が抱えるさまざまな悩み。親世代とは社会も暮らしも大きく変わっている今、もはやロールモデルは存在しません。これからどう未来を描けばいいのか。40代、50代の働く女性の悩みをARIAちゃんがお預かりして、経済評論家・勝間和代さんと一緒に考えていきます。7回目は「子育てが終わった後の夫婦関係」というテーマです。

今月のお便り:通信業・Mさん(52歳・既婚、子ども2人)
昨年、次女が大学を卒業したのを機に、自分勝手で優しさのない夫と離婚したいと考えています。仕事もフルタイムになったので経済的にはなんとか暮らしていけますが、これからずっと、おひとりさまで年を取っていくことを考えると、不安にもなります。現在52歳。勝間さんのように楽しく生きるにはどうしたらいいですか?

自分勝手で優しさのない夫と別れたい

ARIAちゃん(以下、ARIA) 今回は、夫とは別れたいけどおひとりさまの老後も不安、という方からお便りが届いています。勝間さんは20代と30代で2回の結婚と離婚を経験されて、今は娘(三女)さんと2人暮らしですよね。ご相談者のケースについてはどう思いますか?

勝間和代さん(以下、勝間) 夫とずっと暮らすか、いきなり離婚かという2択になっていますが、まずは一度、距離を置いて考えることをお勧めします。それも、すぐに家を借りて別居ではなく、長期で旅行に行ったり、数週間だけ短期賃貸マンションを借りたり。いわば「パートタイム別居」ですね。おひとりさま体験をしながら、自分の心の中をのぞいてみてください。

ARIA あれ、スッパリと離婚をお勧め、ではないんですね。ちょっと意外でした。

勝間 もしこの方が、本当に夫が嫌で嫌で仕方なかったのなら、とっくに離婚しているはずなんです。次女が大学を卒業、ということは、少なくとも夫と22年間は一緒にいるわけですよね。自分勝手で優しさのない夫とはいえ、本当にいなくなってしまったらどうなるか。世の中、思いやりがあって優しい夫のほうが少数派で、大概が自分勝手で優しさのない夫です(苦笑)。そんな夫でも、いったん離れてみたら、いないと寂しいと感じるかもしれません。

 もしかしたら、夫が嫌というより、妻という役割が嫌になっているのでは? いわゆる「卒婚」のタイミングかもしれません。

ARIA 卒婚というのは、戸籍上の婚姻関係は残したまま夫婦関係をリセットして、個々の人生を自由に謳歌(おうか)する、という新しい夫婦関係のことですよね。