仕事、お金、暮らし、老後…ARIA世代が抱えるさまざまな悩み。親世代とは社会も暮らしも大きく変わっている今、もはやロールモデルは存在しません。これからどう未来を描けばいいのか。40代、50代の働く女性の悩みをARIAちゃんがお預かりして、経済評論家・勝間和代さんと一緒に考えていきます。1回目はこんなお便りから…。

今月のお便り:会社員Mさん(42歳・独身)
新卒でメーカーに入社し、勤続20年になります。人に恵まれ、社風も穏やかで居心地はいいのですが、このところ事業が縮小されたり、営業所が統合されたり、が続いています。総務、人事とバックオフィスを中心に仕事をしてきた私。今の会社、今のポジションで定年まで走り切れるか……正直、不安を感じています。

自分が乗っている船(会社)は沈まない?

ARIAちゃん(以下、ARIA) 悩めるARIA読者からこんなお悩みが届いていますが、勝間さん、どうでしょう?

勝間和代さん(以下、勝間) これは勤めている会社次第です。右肩下がりだったら、ヤバイです。ヤバイかどうかを見極めるポイントはまず業績、それから働かない管理職や中間管理職がどのくらいいるか。業績が伸びてなくても、新しい商品やサービスを次々出してて勢いがあればセーフ。勢いもなくて業績が悪い上、働かない管理職と中間管理職が山のようにいる会社は、遅かれ早かれ潰れます。

 管理職や中間管理職はいていいんですよ、ちゃんと働いていれば。問題は働いていないこと。働かない管理職と中間管理職がいるとなぜダメかというと、彼らの給料分まで商品やサービスの代金に含まれて、高くなるからです。当然、市場競争に負けますよね。今の消費者は安くていいものしか買いませんし、よりいいものに対する情報感度も高いから、競争力のない商品やサービスはいずれ淘汰されます。

 そういう会社は日本企業に多いような……、と想像する人が多いでしょう。外資系企業のほうが競争力が上だ、と。否定はできませんが、外資といっても千差万別で、本当にいい外資からとんでもない外資までいろいろです。日本企業で古い体質と思われがちな大企業でも、いい会社はある。もっと言うと、古い会社がダメで新興企業がいいというわけでもありません。

 ただ、自分の勤務先がいい会社であっても、いつなくなってもいいように、定期的に再就職情報などをチェックして、不測の事態に備えることは必要です。そうしないと「緊急脱出ボタン」を押せませんからね。

 ということでまず、業績の良しあしと、働かない管理職と中間管理職の有無で、自分が乗っている「船(会社)」が沈みそうかどうかをチェックしてください。

ARIA で、「ヤバイ、この船、沈むな」と思ったら、さて、どうしたらいいでしょう?