勝間 そうですねぇ、会社人生に対する悩みを解消する本として、『仕事は楽しいかね?』ですかね。著者はアメリカの経済コラムニストで起業家・実務家でもあるデイル・ドーテンという人で、自分の仕事観を見直せる名著です。

『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーデン著、野津智子訳/きこ書房)、「私」と「老人」の対話を通して、自分は本当に今の働き方でいいのか…と悩んでいる人に気づきを与えてくれる
『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーデン著、野津智子訳/きこ書房)、「私」と「老人」の対話を通して、自分は本当に今の働き方でいいのか…と悩んでいる人に気づきを与えてくれる

お金と健康に余裕があると選択の自由度が上がる

 あとは、転職活動や独立活動をするなら、必ずお金と健康のバッファ(ゆとり)を取っておきましょう。この2つさえあれば、先立つものと動ける体を確保できて、将来の選択の自由度が上がるので。

 長年、私は一貫して、給料の2割を天引きして投資信託のドルコスト平均法で運用しましょう、と言い続けていますが、いつ収入が下がってもいいように備えておいて欲しいんですよね。特に転職や起業をする場合は、一時的に収入が下がる可能性が高くなりますから。

 健康のバッファの取り方は、スマートウォッチで体の中を「見える化」して管理するのが簡単です。ただ、歯は見える化できないので定期健診に行ってください。

ARIA 勝間さんは、3カ月に1度は歯の検診に行ってますよね。

勝間 ええ、実は直近の検診で1カ所、昔かぶせたものが取れかかっていることが判明しまして……。交換するのに10万かかると言われてギャー!ってなりました。でも、放置して虫歯になったらもっとかかるし、インプラントになったらウン十万円コース。シクシクしながら、交換することに決めました。

 将来の予測はできないけど、リスクを低くするための予防はできるーーなんてことを自分に言い聞かせました。

取材・文/茅島奈緒深 構成/竹下順子(日経xwoman ARIA) 写真/PIXTA