女性リーダーには、仕事における振る舞いに共通の傾向があり、それがキャリアの行く手を阻んでいる――。そう提唱するのは、女性のリーダーシップ開発の第一人者、パーソナルコーチのサリー・ヘルゲセンさんです。この連載では、リーダー層の女性がキャリアをさらに前に進めるために認識しておくべき「癖」について、サリーさんが解説してきました。最終回の今日は、女性リーダーが自らの「悪癖」をどう変えていくか、その秘策についてです。

 これまで、リーダーの立場になったときにキャリアを行き詰まらせてしまう、女性に特有の振る舞いや習慣をいくつか紹介してきました。最終回の今日は、それでは一体「その悪い癖を具体的にどう変えていけばよいか」について、役立つ手法をお伝えしたいと思います。

一つの癖にフォーカスし、進歩が見えるまで変える努力をする

 かつては評価や昇進の対象となっていた習慣や振る舞いが、キャリアの足を引っ張ることになる。そういうものがあることに気付くのが最初のステップだと以前お伝えしました。次にやってほしいのは、自分に当てはまる振る舞いを一つ選んで、変える努力をすることです

 以前は役に立ったものだから、その癖に愛着があるかもしれないし、やり慣れた行動を変えるのはちょっと怖いかもしれません。でも、それをやめることでいかに多くのものを得られるかを考えれば、やる気になるでしょう。

 当てはまるものが幾つもあったとしても、まずは一つ。小さな、簡単なところから始めてください。変化を持続させるためには、一瞬にして新しい自分になろうとするよりも、長い時間をかけて取り組む気持ちのほうが必要になります。その際には、一つの癖にフォーカスして、進歩が見えるまでやり続けるのが達成への一番の早道です

 では、進歩が見えるまでやり続けるには、どうしたらいいでしょうか。一人でやろうとするのは大変です。秘策は、周りの人たちを上手に活用することです。これまで挙げてきた悪癖パターン、「やり過ぎる」「矮小(わいしょう)化する」など、それぞれ具体的に方法をお教えしましょう。

「自分に当てはまる振る舞いの中からまずは一つにフォーカスして、変える努力をする。一瞬にして新しい自分になろうとするよりも、長い時間をかけて取り組む気持ちのほうが必要になります」
「自分に当てはまる振る舞いの中からまずは一つにフォーカスして、変える努力をする。一瞬にして新しい自分になろうとするよりも、長い時間をかけて取り組む気持ちのほうが必要になります」