女性リーダーには、仕事における振る舞いに共通の傾向があり、それがキャリアの行く手を阻んでいる――。そう提唱するのは、女性のリーダーシップ開発の第一人者、パーソナルコーチのサリー・ヘルゲセンさんです。この連載では、リーダー層の女性がキャリアをさらに前に進めるために認識しておくべき「癖」について、サリーさんが解説。今回のテーマは「専門性を過大評価すること」と「完璧主義の罠」です。

 キャリアにおいて、専門性やスキルは非常に重要なものです。しかし、「専門性を過大評価すること」、つまり専門家になり過ぎてしまうことは、女性が注意すべき癖の一つです

 こう言うと驚かれるかもしれませんね。「私たちは専門家であるべきではないの?」「私たちは自分のスキルによって仕事に貢献し、評価されているのではないの?」と。もちろんその通りですが、それは私たちの評価の一部をなすにすぎません。

「仕事で新しいポジションに就いたとき、男性と女性とでは対照的な行動をとる傾向があります」
「仕事で新しいポジションに就いたとき、男性と女性とでは対照的な行動をとる傾向があります」

キャリア開発に必要な3つの要素とは

 キャリアを開発するためには3つのことが必要です。1つ目は専門性やスキル。そして2つ目はリレーションシップ、周囲のさまざまな人とどのように関係をつくっていくかです。これは「どのように人に助けてもらって自分のやるべきことをやっていくか」であり、また「自分がどのように人のリソースになっていくか」ということでもあります。

 そして3つ目はビジビリティ(可視性)です。自分の貢献度を周囲に認識してもらうにはどうしたらいいのか、ということです。

 この中でも女性はどちらかというと1つ目の専門性を過大評価しがちで、それがキャリアの邪魔になることが多いのです。