仕事以外のことは何を言われても気にしない

 もちろんこれは、「決して悪口や噂話を流されないように」ということではありません。それは不可能だし、自分がどう見られているかなんていちいち気にする生き方はきっとつまらない。一つひとつの噂に気をもむのではなく、それが仕事にどう影響するのか? というふうに俯瞰してみると、また違った風景が見えてきます。

 以前、仲のいい元同僚が「こやまさんは性格はねじ曲がってるけど、コピーはうまいんだよねえ」とケラケラ笑いながら流布していたことがあり、私は「営業妨害だ」と抗議していたのですが、やがて気付いたことがありました。彼の紹介してくれた方々は、私に対しての信頼度が最初から高く、とても仕事しやすいのです。つまり他の部分をいくら落とされても、仕事を褒められている限り、それは仕事のプラスになるということ。

 考えてみれば、多少尾ひれをつけて面白くしないと、人はそうそう噂なんてしてくれません。「文化人気取り」という噂は「こやま、そんな活動してるんだ」という広告につながるし、パリピは「景気良さそう」というイメージにつながる。本当は騒がしいパーティーは苦手だし、性格もそこまでねじ曲がっていないとは思うのですが、当時そんなふうに話題にしてくださった皆様には愛を感じるし、感謝しています。

「ヘンタイ美術館」は、その後書籍化され、韓国・台湾・中国版も発売しました
「ヘンタイ美術館」は、その後書籍化され、韓国・台湾・中国版も発売しました