生理の悩みは、ただでさえ話しにくい話題。それを経験や知識の乏しい10代の娘たちが生理のことで困ったら、親としてどう対処すればいいのでしょう?
『女性のための働き方改革! 「生理快適プロジェクト」』(主催:日経BP総合研究所、協賛/あすか製薬、バイエル薬品、富士製薬工業)は、10月20日に、10代の娘とその親のための「生理の悩みと対策」セミナーをオンラインで開催。女性の体と生理についての正しい知識や、娘の生理の悩みにどう向き合うのかなどの話題を、思春期外来を行う産婦人科医の塚田訓子さんと、生理痛とうまく付き合いながら米国で大活躍している女子サッカー選手の川澄奈穂美さん、思春期年齢の娘の母でもあるマキシマム ザ ホルモンのナヲさんと一緒に考えました。

1回目 SHELLYさん×甲賀先生 生理痛の上手なマネジメント法
2回目 薬を使わず生理痛を軽くするには?14の質問に回答
3回目 サッカー米女子リーグ選手 川澄奈穂美さんが語る
4回目 10代の娘が生理のトラブルで困っていたら、親としてどうする? ←今回はここ
5回目 読者がドクターに聞く 私の生理、いまのままで大丈夫?(予定)
6回目 あの人に聞く、つらい生理のマネジメント体験(予定)

産婦人科医 塚田先生から教わる「正しい生理」の理解

 まず第一部は、産婦人科医の塚田訓子さんによる『月経(生理)に振り回されずに生きる 思春期から始める月経マネジメントのススメ』というお話から――。

「月経はデトックス」は間違い。つらい人は我慢しないで!

アトラスレディースクリニック(東京都杉並区)院長 塚田訓子(つかだくにこ)さん
アトラスレディースクリニック(東京都杉並区)院長 塚田訓子(つかだくにこ)さん
旭川医科大学医学部卒業後、札幌医科大学医学部産婦人科学講座、紫明女子学院(女子少年院) 医務課長などを経て2010年より現職。東京産婦人科医会・学校保健委員、杉並区医師会・学校保健委員、21年より特定非営利活動法人日本子宮内膜症啓発会議実行委員ほか。思春期世代の保健教育にも力を入れる。

 「月経はデトックスで老廃物が出てスッキリ!」と思っている人がいるようですが、それは間違った“神話”です。子宮の中に老廃物がたまっていたら大変。月経はデトックスではありません。また、「月経は健康のバロメータ。つらくても毎月我慢しなくては…」と思っている人もいますが、それも間違い。

 月経痛や月経にまつわる不調は、我慢しなくていいんです。月経痛(月経困難症)、PMS、過多月経、貧血、月経不順などの悩みがあるときこそ、産婦人科医はあなたの味方になります。鎮痛剤、漢方薬、ホルモン剤など治療法はたくさんあり、例えば、ホルモン剤の一種、低用量ピルで一時的に排卵を抑えて月経痛を軽くする方法もあります。

 産婦人科を怖いところと思わず、女性の一生をサポートし、健康な毎日のお手伝いをする専門家がいるところだと思ってください。月経が始まったお子さんにも、ぜひ婦人科のパートナードクターを持ってほしいと思います。

思春期の正常な月経の目安
生理の日にちはメモをしておく習慣を!

以下に該当するときは、婦人科に相談してください。

★2週間以上生理が続く
★2週間おきに生理が来る
★2~3か月たっても生理が来ない
★生理じゃないときに出血する
★15歳になっても初経が来ない

月経困難症は子宮内膜症に進展する可能性が!鎮痛剤は「痛みが強くなる前にのむ」

 月経周期に伴う女性の体調変化を見てみると、月経のときは、下腹部痛、腰痛、頭痛などがある人もいますし、月経前は、PMS(月経前症候群)でむくみ、乳房痛、腹部膨満感、イライラ、憂うつなどに悩む人もいます。こうしてみると、女性にとって体調がよく、ゴキゲンな期間は、人によってはひと月のうちたった1週間くらいしかないことがわかります。

 月経に伴う痛みや体調不良等の病的症状を月経困難症と言います。月経困難症は治療せずに放っておくと、不妊の原因にもなる子宮内膜症という病気に進展することがあります。

 女性は初経から閉経まで、約40年も月経と付き合って暮らします。女性の一生に占める月経期間は約6年! もあるのですから、つらい状態から早く抜け出してすこしでも快適に過ごせる時間を増やして欲しいんです。

 鎮痛剤を使うとクセになると心配する声がありますが、月経痛がつらい人は、痛みが強くなる前のタイミングで早めに鎮痛剤をのむのが上手な使い方。鎮痛剤はクセにはなりません。痛みを我慢しきれなくなってから飲んでも、痛み物質が出てしまった後なので、効果が実感しにくくなります。何より、つらい月経痛があったらまず産婦人科で相談して、正しい薬の使い方も教わってください。

月経に振り回されず、快適な毎日を過ごして!

 月経痛の治療法には鎮痛薬や漢方薬の他にも、低用量ピルがあります。当院の10代の初来患者さんのデータでは、約9割の方に低用量ピルを処方していました。ホルモン剤であるピルは、どんなタイプのものであっても内服している間は出血せず、服用をお休みすると出血が起こります。月経困難症の治療薬の低用量ピル(LEP剤)には3~4カ月連続服用し、月経の回数が減るタイプのお薬もあります。お薬の選び方は、婦人科の先生と相談して決めることができます。

 これからの時代は、上手にホルモン剤で月経の悩みをマネジメントして、勉強も遊びも全力投球して欲しいです。月経痛を我慢する時代は終わったのです。月経に振り回されず、快適な毎日を過ごしてくださいね。