「イクメン企業アワード2020」「イクボスアワード2020」の表彰式が、11月20日の「イクメン推進シンポジウム2020」にて開催。選ばれたのは男性の育児と仕事を両立できる環境整備に創意工夫を行ったイクメン企業6社と、部下の仕事と育児の両立環境の整備を積極的に進めたイクボス3人。新型コロナウイルス感染症の影響下でも職員の仕事と育児の両立に工夫してきた受賞企業・者の取組は、他の企業にとっても非常に参考となるだろう。

イクメン企業アワード・イクボスアワード表彰式、一部受賞者のリモート参加など新しいスタイルで行われた。賞状とトロフィーは厚生労働省雇用環境・均等局長坂口卓(たかし)氏(1番上の写真中央)が授与。イクメンプロジェクト推進委員会座長、フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏(同・1番左)は各社の独自の取組の数々を挙げ「男性育休取得をリードする素晴らしい先例がそろった」と語った
イクメン企業アワード・イクボスアワード表彰式、一部受賞者のリモート参加など新しいスタイルで行われた。賞状とトロフィーは厚生労働省雇用環境・均等局長坂口卓(たかし)氏(1番上の写真中央)が授与。イクメンプロジェクト推進委員会座長、フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏(同・1番左)は各社の独自の取組の数々を挙げ「男性育休取得をリードする素晴らしい先例がそろった」と語った

「イクメン企業アワード」は、男性従業員の育児参加を積極的に促進しつつ業務改善を図る企業を評価。今回の応募は36社。参加要件に「直近1年間の男性の育児休業取得率が全国平均(6.16%)超」があるため、応募企業は既に男性の育児休業取得を積極的に進めていると言える。

審査項目は次の5点だ。

  1. 男性の育児休業などの取得促進、積極的な育児の推進の取組
  2. 仕事と育児を両立できる職場環境の整備
  3. 男性が育児に参画することを促す対外的な活動
  4. 取組による定量的な効果
  5. 新型コロナウイルス感染症による状況を踏まえた仕事と育児の両立支援の取組、地方・中小企業における特色ある男性育休の取得

「5」は今年新たに加わった項目であり、コロナ禍で一段と厳しい環境の中、社員の育児と仕事の両立に創意工夫を図った企業が表彰された。

「イクボスアワード」には、部下の仕事と育児の両立を支援する管理職が選出される。その審査項目は次の通り。

  1. 部下の仕事と育児の両立への配慮・工夫
  2. 業務効率を上げるための工夫
  3. 自らの仕事と生活の充実
  4. 新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた効果的な部下の仕事と育児の両立支援等の取組

応募には部下からの推薦文が必要だ。今回は48人の応募者の中から、最終的に3人が選出された。

各企業の従業員数も、約180人から約14000人と幅があり、建設、情報通信、介護など業種も多岐にわたる。男性の育休取得がゼロという企業風土を着実な取組で飛躍的に進化させた技研製作所、先進的な取組を進化させ社会への情報とサービスの発信まで行う積水ハウスなど、課題も解決へのアプローチもバラエティに富む企業が揃った。そして、イクボスアワード受賞のスプリング・大久保友紀子さんは、過酷といわれる介護職場で抜本的な働き方改革を実施しスタッフの仕事と子育て、趣味との両立を可能にした。同賞を受賞したスープストックトーキョー・西谷達彦さんが、イクボスとなるきっかけになった上司から渡された子育てのバドンのエピソードも、示唆に富むものであった。

「イクメン推進シンポジウム2020」で、表彰式後に披露された、各々の取組をダイジェストで紹介していこう。