部下の仕事と育児の両立を支援するイクボスアワード受賞者

イクボスアワード受賞者の3人。上から大久保さん(手前左)、西谷さん、松浦さん
イクボスアワード受賞者の3人。上から大久保さん(手前左)、西谷さん、松浦さん

<<スプリング・大久保友紀子さん>>
青森県で介護施設、特別養護老人ホームを運営するスプリング。大久保さんはその在宅介護部門「ケアプラザ福寿草」の所長を務める。職員の40%が子育て中の職場で、まず、介護のイメージ3K(きつい・汚い・給料安い)を、実際には笑顔と感動に満ちた人に寄り添う仕事であることを表す「希望・感動・可能性」の3つのKに変えるという目標のもと、育休支援マニュアルの作成、管理者へのイクボス研修を実施。介護者の腰痛を予防するためにも介護機器を取り入れたノーリフティングケアの導入等も行い、職員の月平均時間外労働を2時間以内に収めた。子育て・介護のない職員への配慮も大切であり、自身も介護や2人の息子のサッカーの試合観戦のために職場から様々な支援を受けていると語る。

<<スープストックトーキョー・西谷達彦さん>>
西谷さんは物販事業部で百貨店・宅配担当のマネージャー。里帰り中の妻の出産予定日を覚えていた上司から、当日朝、出産に立ち合いに行きなさいと背中を押され、かけがいのない時間を過ごした経験を機に職場全体の助け合い、環境整備を意識するようになった。業務のマニュアル化で仕事の属人化を払拭し、チームでも各人各様の生活が楽しめる働き方を重視しているとのこと。育児の経験から、自分の子に食べさせたくなる市販の離乳食を企画。「家族が笑顔になる離乳食プロジェクト」をリードし、今年11月商品化を果たした。育児経験が仕事に還元されることも実感したと語る。

<<ビースタイルホールディングス・松浦修治さん>>
働く女性を支援する人材紹介を行う同社でテクノロジー&マーケティング本部の部長として19人の子育て社員を含む29人のチームを率いる松浦修治さん。コロナ禍においては、自身も夕食作りは週6日担当というイクメンだ。組織運営においては、個々の家庭環境等の外部環境を把握し、業務の仕組みを整えることが重要と考え、家庭近況、悩み、同時にどんな人生を歩みたいかまでを個別に聞き対応することで、チーム全体のパフォーマンスが上がったとのこと。受注内容は全て「課題管理システム」で管理し、業務改善点などを常に分析。時短メンバーが自身で働き方をコントロールできるように優先順位の分かる管理方法も導入した。もう一点、子どもの発熱による早退時などについ口をつく「すみません」を禁止に。子育てで肩身の狭い思いは不要という空気づくりは、ぜひ真似をしたいと思わせる内容である。