子育てとキャリアを両立するための理想的な職場のあり方とは?

―― 国内外の様々な企業で働かれてきた中で、どのような環境で子育てをしやすいと思われますか?

荷堂 産休・育休などの制度が整っていることはもちろんですが、様々な事情や背景を持つ多様な社員がいる職場は、子育てをする女性だけではなく、両親の介護などをしている人、障がいを持った人などにとっても働きやすい環境だと思います。そういう環境では、当たり前のように相互理解の文化が形成されていますから、働きやすいと感じる人が多いと思います。

―― 最近では子育て支援や女性活躍推進といったダイバーシティ施策などに力を入れる企業も増えてきましたが、御社でのご状況はいかがでしょうか。

荷堂 そうですね。ダイバーシティ、インクルージョンなどに力を入れる企業が増えたことで、様々な事情を抱えた人たちのキャリアアップがしやすくなっていると思います。私がコカ・コーラ ボトラーズジャパンに入社して驚いたのは、女性のためのキャリアアップ研修やダイバーシティ&インクルージョン推進のための各種制度・研修が非常に充実していることです。例えば最近では、コアタイムのないスーパーフレックス制度、時間単位で取得可能な有給休暇、配偶者出産休暇など。私も、子どもに手がかかる時にこんな制度があったらもっと楽だったのにと思いました(笑)。だからこそ、この制度があることの意義を痛感しますね。

―― 魅力的な制度がたくさんあるのですね!御社も含め、ダイバーシティ施策に積極的に取り組む企業において、企業、社員はどのようなメリットを得られるとお考えですか?

荷堂 社員に多様性があれば、新たなアイディアや画期的な製品が生まれやすくなります。また、様々な労働制約のある人にとって、「生き方」を含めたその人らしさに配慮された環境で働けることは大きなチャンスとなります。私のような子育て中の女性でも、臆することなく新たな挑戦ができることは素晴らしいと思います。ただ、これはある意味「当たり前」のことでもあります。日本中の消費者を相手にビジネスをしている当社において、目を向けるべきものは消費者の多様さ。多様な消費者を満足させ、喜んでいただく商品を提供するためには、送り出す側にも多様な発想、考え方が求められるのが自然だと思います。