投資とは「10万円で人生をどう豊かにするか」を考えること

――ここ数年、一段と投資が注目されています。やはり投資は私たちにとって必要なのでしょうか。

清明 例えば、ここに10万円があるとします。少しずつ使い「よしよし、まだ残っているな」と安心する人もいれば、10万円を元に投資を始めてみようと思い立つ人もいるかも知れない。私の若い頃のように飲み会に使って人との輪を広げたり、学校に通い価値観を共有できる友達を増やす使い方もある。

その10万円で自分の人生をどのように豊かにするかはその人次第です。使い方に正解はありませんし状況にも左右されます。ただ、いずれにしても行動しないかぎり、10万円はただその場所にあるだけですよね。

――清明さんご自身は投資をしていますか?

清明 私は06年からプライベート・エクイティ・ファンドで企業のM&Aを手掛けていました。しかし08年のリーマンショックの影響で転職を余儀なくされ、マネックスグループに移るまで時間があったので、その時に初めて株式を買いました。選び方も知りませんでしたが、経済危機が訪れてもきっと何とか事業を継続し成長させられる、日本を代表する企業の株を選びました。

つまり、企業に対する信頼感で投資を始めたわけで、この「信頼感」は、3年後に社長を任されるようになり一段と実感しました。

自分のために世の中のために。ARIA世代は投資の始めどき

――ARIA読者は仕事を通じ投資の魅力や意義を分かっていますが最初の一歩を踏み出せずにいる人も少なくありません。お勧めの投資方法を教えてください。

清明 投資に、「コアサテライト」という考え方があります。「コア」は、自分の未来のために、信頼できる投資信託(投信・ファンド)を毎月定額で積み立て、コツコツと資産を増やすという考えです。そして「サテライト」部分で、社会貢献をしているから応援したいなと思う企業や、しっかりと事業を理解し、業績や成長性等を分析した会社の個別株を買うのです。長年愛用してきた化粧品のメーカー、経営者の姿勢に共感する企業などが投資先になるでしょう。多忙な日々を送りつつ社会への貢献も意識されているARIA世代には、この「コアサテライト」投資がよいでしょう。

――「コア」投資について、もう少し教えてください。

清明 投信とは皆さん(投資家)から集めた資金をまとめ、運用のプロが株式や債券などに分散投資する商品です。投信の種類は非常に多いのですが、現在マネックス証券で人気が高いのは、日本を含む全世界に向け投資ができるタイプのもので、世界を応援し、かつリスクも分散できます。

投資のタイミングも分散するとよいでしょう。一気に投資せず、一定額を定期的に、自動的に投資する仕組みを利用するのです。マネックス証券では今年1月から「毎日つみたて」も可能にしました。1日100円ずつ投信に積み立て投資ができますので、究極の時間分散が可能です。

――「サテライト」投資で世の中をよりよくできますか。

清明 ここ数年、意識の高い方や若い世代にクラウドファンディングという社会貢献方法が浸透してきました。そこで、マネックス証券では投資の「応援」という側面に注目したプロジェクト「#ため活」もスタートしました。反響の大きさに、投資で世の中をよくしたいという皆様の思いの強さを実感し、よりよい社会、環境づくりにつながると確信しています。

「#ため活」とは?
環境問題、ダイバーシティ、地域貢献、金融リテラシーといった社会的な問題に対して積極的に活動する企業に投資をすることで、世の中を応援する。企業が投資から得た資本をもとに、さらに世の中の“ため”に活動をし、いずれ投資に対するリターンとして、自分にも還ってくることを啓発するPR活動。
■「#ため活」の詳細はここをクリック