「新しい働き方」が定着しつつある一方、職場にはなんとなく“休みにくい雰囲気”があったり、テレワークによって“オンオフの切り替えが難しい”といった「休み悩み」が増えていたりします。そんななか、花王が「#さがそう私の休み休み」プロジェクト(*)をスタート!(詳しくは3ページ) IT企業役員と芸人の二刀流で活躍する厚切りジェイソンさんと、「日経WOMAN」元編集長の安原ゆかり日経BP総合研究所上席研究員が、「パフォーマンスを上げるためのチームの休ませ方」についてトークを繰り広げました。
*「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」&「バブ メディキュア」がタッグを組み、「新しい休み方」を模索・提案するプロジェクトです。

攻めの姿勢で休みをフル活用

安原ゆかり上席研究員(以下、安原) 厚切りさんご自身は、どのような休み方でメリハリをつけているのでしょうか。

厚切りジェイソンさん(以下、厚切り) 現在、役員を務めているIT企業のアメリカ法人は、広い国土でより有能な人材に働いてもらうために、すべての社員がテレワークなんですね。時間は自由に使えますので、仕事先に移動するときなどに電車を使わずによく歩くようにしています。健康的だし、歩きながらポッドキャストで経済やニュース、フィクションなどいろいろ聞いて情報を得られ効率的なんです。今日もここまで2時間歩いてきましたよ、外は嵐でしたが。

安原 それはすごい(笑)。では、アメリカ時代はどうでしたか。

厚切り 大手IT企業で働いていたときは毎日出勤していて、切り替え方もいろいろでした。午後に一旦ジムで1時間ほど筋トレして会社に戻ったり、社内のブレイクルームでよく、同僚とワイワイゲームをしたり

厚切りジェイソンさん●1986年アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳のとき、飛び級でミシガン州立大学へ入学後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。日本でIT企業役員として働きながら、2014年にお笑い芸人としてデビュー。芸歴5か月で「R-1グランプリ2015」決勝へ進出。現在バラエティ、映画、ドラマなどで活躍中。
厚切りジェイソンさん●1986年アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳のとき、飛び級でミシガン州立大学へ入学後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。日本でIT企業役員として働きながら、2014年にお笑い芸人としてデビュー。芸歴5か月で「R-1グランプリ2015」決勝へ進出。現在バラエティ、映画、ドラマなどで活躍中。

そして肝心なのは、ブレイクタイムの後はリフレッシュしているから、次に控えているハードな仕事にもスムーズに取りかかれたという点です。こういう切り替えが、僕には向いているんですね。

休み時間をすべて猛勉強に充てていた時期もあります。仕事と並行して修士号を取るという目標を立てて、昼休憩や仕事の後の時間を使って勉強し、3年で取得したのです。休み時間を将来への投資に充てていたのですね。その時々の目的に合わせて休み時間の過ごし方も柔軟に変えています。

「休む」のも「休まない」のも個人の自由

安原 攻めの姿勢で休みを活用していたのですね。勤務中にジムに行ったり、ゲームをしたりすることは、日本にはあまりない発想です。もし会社を抜け出してジムに行ったとしたら、「サボっている」と見られるのではないかと危惧する人が多いと思います。

厚切り 僕は周りからどう見られるかなんて少しも気にしないし、どう思われてもかまわないですね。そもそも一般的なアメリカ企業は仕事を「成果」で評価しますから、どんな休み方をしているかとか、まじめに働いているかといった態度は関係ないんです。でももし「残業代」が発生する日本のようなシステムなら、勤務中にジムに行くのは不可能でしょうね。

アメリカ時代の同僚の中にも、本当にゲームばかりやっていた人もいましたし、わき目も振らず仕事にまい進していた人ももちろんいました。また、実態として「休まない人の方が、成果を上げられるから出世する」という現象はありましたよ。それでもどのように仕事をするかは、あくまで人それぞれの選択。上昇志向の人がバリバリ働き競争に勝っていくのもアリでしょう。基本的に「休む」も「休まない」も個人の自由であり、自分自身の責任で決断すべきではないでしょうか。周りの雰囲気に流されていては不幸になるように思えます。