キャリアも休み方も真摯に相談にのる上司

安原 マネジメント層には、コミュニケーション能力が求められるということですね。

厚切り その通りです。部下は部品ではなく人間ですから、「自分のいうことをきけ」という態度ではなく、縦社会の上下関係は忘れて、同じ人間として対等に接するべきですよね。部下に何か悩みがありそうなら真摯に向き合い、原因を探り、解決のために会社ができることがあるのかを見極める。その人自身を理解するために常にアンテナを張る必要があると思います。

安原 休み方に関しても、しっかり休んでワークライフバランスを大切にしたい人もいれば、キャリアアップを目指して頑張りたい人もいる。それぞれの志向を理解して、サポートすることが大事なんですね。

厚切り なにがなんでも「休ませる」のではなく、「どう生きたいのか、そのためにどうすべきか」というレンジで、キャリアも休み方も一緒に考えていくことが大切だと思います。それによってパフォーマンスが上がり、部下が成功すれば、それは自分の成功にもつながるわけですから。

休憩時間も含めて作業計画を立てる

安原 仕事中の休憩も、堂々と取れるようにしたいですね。職場にはリラックスできる休憩場所がなかったり、人目が気になったりして、トイレで仮眠を取るという話も。オフィスのトイレに「ここで寝ないでください!」と貼り紙がしてあるという投稿がTwitterに上がったりもします。

厚切り 「ここで寝ないで」と注意するだけでは、なんの解決にもなりませんよね。まず「寝るスペースが必要なんだ」と会社が気付くべきです。問題を発見したならば次に解決法を提示し、さらに結果のメリットを共有する。それがマネジメント層の取るべき行動ではないでしょうか。

休憩時間については、あらかじめプランニングする方法を部下に提案するのもいいと思います。つまり、休憩時間も組み込んだ形で1日の計画を立てるということ。

例えば、この大きな仕事は午前中に片付けて、その後、この仕事とこの仕事の間に、15分間オフィスの周辺を歩こうとか、5分間コーヒーブレイクしようと計画する。それをカレンダーに書き込んでおいて、その通りに実行するんです。無計画に仕事をして、疲れ果ててからダラっと休むより、計画的に休憩する方が確実に休めるし、メリハリがついて生産性も上がるし、しかも仕事ができる人に見える(笑)。

安原 「戦略的な休みの取り方」ですね。マネジメント層も、自らいろいろ実践してみるといいですよね。

厚切り 休み方は、生き方と同様に人それぞれだと思います。僕は母国語の英語を聞くと落ち着くので、ポッドキャストを1.8倍速で聞きながら寝落ちすることが日課になっています。ただ、それが他の人にも合うリラックス方法だとは思いません。どんな方法が自分に向いているのか、手探りでいろいろ試してみたり、部下ともコミュニケーションしながら、それぞれの理想の休み方を探していけばいいのではないでしょうか。

取材・文/後藤かおる 写真/三浦伸一 構成/横濱啓子(remix-inc.)

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休息タイムに寄り添う花王「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」「バブ メディキュア」両ブランドが初めてタッグを組み、日々を忙しく過ごす現代人に向けて新しい休み方を提案する「#さがそう私の休み休み」プロジェクトを発足。

コロナ禍で、テレワークをはじめとする「新しい働き方」の定着が加速しつつある一方、現実には職場において休むことに対してポジティブではない雰囲気があったり、テレワークによって、仕事とプライベートのオンオフの切り替えが難しくなった、といった現代ならではの悩みまで、休みに対する課題が多く存在しています。

本プロジェクトは、こまめで手軽な休み の導入を提唱するなど、さまざまな「休みへの悩み・課題」を抱える現代人が今の時代らしく、かつ自分らしい「新しい休み方」を探すお手伝いをしていきます。

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