鏡を見るたび気になる肌のキメやハリの衰え、それって「糖化」のせいかも……!? 体の糖化を抑える成分が、果物の女王「マンゴスチン」の果皮から発見! 糖化について造詣の深い永井竜児教授にお話を聞きました。

肌の老化の進行を早める、酸化より怖い糖化ストレス

 「糖は生きるためのエネルギー源として不可欠な栄養素ですが、余った糖が体内のたんぱく質と結合すると、AGEs(終末糖化産物)ができます。これを『糖化』といい、AGEsによる体への悪影響を『糖化ストレス』と呼びます。肌のコラーゲンもたんぱく質ですが、コラーゲンが糖化すると、コラーゲンが硬くなるだけでなく、肌の弾力やキメに関与する線維芽細胞が減少。それに伴ってコラーゲンの産生も減少し、さらに肌の水分量も減少することで、綿が入っていない布団のように皮膚が薄くなってしまいます」

 そう語るのは、AGEsについて25年以上研究し続けている永井竜児教授だ。肌の老化だけでなく、さまざまな疾病のリスクも高めてしまう糖化の原因は生活習慣にあるという。

 「運動不足や空腹時のドカ食いなど、いわゆる糖尿病の要因にもなる生活習慣は糖化を促進させます。また、睡眠不足は大敵。眠りの質が悪いとAGEsが蓄積されやすい状態になります。ちなみに、夜間の激しい運動は交感神経が活発になり寝付きが悪くなるので、避けた方がよいでしょう。

 近年は紫外線などによる〝肌の酸化〞が注目されていますが、糖化したコラーゲンが酸化すると、肌の状態がさらに悪化。サビて不要になったコラーゲンを正常に代謝できず、AGEsが細胞内に蓄積され、糖化ストレスを引き起こしてしまうのです」

肌の弾力に欠かせないコラーゲンだが、糖化が進み、AGEsが蓄積すると、糖化ストレスが進行。コラーゲンの形が崩れて、しなやかさが失われ、硬くなってしまう
肌の弾力に欠かせないコラーゲンだが、糖化が進み、AGEsが蓄積すると、糖化ストレスが進行。コラーゲンの形が崩れて、しなやかさが失われ、硬くなってしまう

AGEsを測定し、2方向から糖化ケア

 予防医学に注力している永井教授は、大手電機メーカーと共同で手軽に糖化をチェックできるAGEsセンサを開発。現在、一部の病院や薬局、スポーツジムなどに設置されている。

 「糖化ストレスは痛みを伴わないため、AGEsを数値化して自覚することが大切。定期的にチェックし、きちんとケアしたいですね」

 AGEsを抑制するには、摂取する糖の量を減らすか、糖とたんぱく質の結合を防ぐか、2つの方法がある。前者には食事や運動、睡眠など、生活習慣の改善が必要だ。

 「眠りの質を上げるには、寝具も大切ですが、ぬるめのお風呂に長時間入ったり、寝る前に温かい牛乳を飲んだりすると、リラックスできておススメです。アルコールも少量ならよいと思いますが、眠りの質を下げる可能性もあるので、量には注意しましょう。運動は無理をせず、例えば6割くらいの力で持ち上げられる重量のダンベルを使って、多めの回数をこなすとよいと思います。心拍数から適度な運動量を計算するカルボーネン法を取り入れると、より効果的です」

老化物質であるAGEsは加齢に伴って蓄積されていくが、糖化生活を送ることで蓄積量が急増。年齢が上がるほど差がつくため、早めのケアを心がけたい
老化物質であるAGEsは加齢に伴って蓄積されていくが、糖化生活を送ることで蓄積量が急増。年齢が上がるほど差がつくため、早めのケアを心がけたい
<b>永井 竜児 教授</b><br>東海大学 農学部 バイオサイエンス学科 食品生体調節学研究室
永井 竜児 教授
東海大学 農学部 バイオサイエンス学科 食品生体調節学研究室