省力洗いはお米のため。最初の注水と炊飯には浄水を
――現代の正しいお米の洗い方を教えてください。
まず、たっぷりの水を注ぎ数回かきまぜたら水を捨てる。これを2セット行います。最初の水は、お米が勢いよく吸うので手早くします。ぬかのにおいが移ることを避けるためです。その後はお米だけの状態で力を入れずに30回かきまぜてから、水を入れてすすぎます。お米の合数によって2~4セット行い、最後にたっぷりの水ですすいでください。お米は内釜で洗ってそのまま炊飯器にセットすればより簡単です。
水にこだわる方なら、最初の水と炊飯時の水に浄水やミネラルウォーターを使うのが正解です。
炊飯前の浸水待ちは不要
保管場所は野菜室がベスト
――お米に水分を浸透させるにはどのくらいの時間が必要ですか?
実は、最近では浸水待ちの必要がない炊飯器がほとんどです。炊飯工程の中に、水温制御などによる浸水機能が確保されているんですね。今まで炊飯スイッチを押す前に浸水のために時間をとっていた方は、その分余裕も感じながら無理なく、朝もごはんを炊いていただけるといいなと思います。
研がないで洗うこと。そして、炊き上がったらすぐにほぐすこと。これでごはんは格段に美味しくなります。
僕が必ずお願いしたいのは、お米の保管場所への気配りです。玄米も春から夏、低温倉庫で管理しているので、流通するお米の鮮度はおしなべて良くなってきました。問題は購入後の保管場所。シンク下は気温と温度が高めなので絶対にだめです。おすすめは、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保管することです。冷蔵庫の中でも野菜室は湿度が高い点もお米にはありがたいのです。
炊き方は、昔懐かしいかまどがベスト。火力が強く、釜内のお米を大きく対流させるプロセスでむらなく米粒に熱が回る点などはかまどならではです。最近の炊飯器でも、高火力で炊ける製品はがぜん味わいに差が出るものです。
かまどに酷似した火加減を再現する1台