「変わらないね」は褒め言葉ではない

 すがすがしささえ感じさせる近藤さんの姿は、女性同士で日常的に交わされる“褒め言葉”をも直撃しました。

 「全然変わらないね、とぴたりと言われなくなりましたね。グレイヘアになって最初に出席した同窓会では、『そっかー……』『白髪染め、やめたんだ……』とみんな言葉を慎重に選ぼうとするあまり、まったく盛り上がらずすごい空気に(笑)。老けたねー! と言われるのが当然だし、私はそれで構わなかったんです。実際、すごく変わっているわけですし。でもどこかで『若い方がいい』という意識が働いて口ごもってしまう

「七五三に元服、成人式。本当に私たちの社会は年齢がマイルストーンになっていますよね」と近藤さん。
「七五三に元服、成人式。本当に私たちの社会は年齢がマイルストーンになっていますよね」と近藤さん。

 いつまでたっても変わらない、というのは「最悪な褒め言葉」だと近藤さん。変化を止めようとするのではなく軽やかに、戦略的に変わっていくことを選んだ彼女はグレイヘアにしたことで、「表面的な若さや年齢に対する執着心がなくなった」と言います。

 「年齢という数字が気になるのは日本を含むアジア独特の文化の一つなのかもしれませんが、これからは『個の時代』がさらに加速するはず。自分はどのように生きたいのか、そのためにどんな選択をするのか、ということが年齢にかかわらずより重要になっていくのではないかと思います」

メイクに猫背vsスッピンに美しく伸びた背すじ

 人生100年時代、自分らしく元気に生きていくためのポイントの一つが「身体能力」にあるのでは、と近藤さんは語ります。

 「50代以降の女性を見ていると、体幹がしっかりしていて姿勢が美しい人ほど印象が若々しいんですよね。どんなにきちんとメイクをしていても、姿勢が悪いとそれだけで一気に老けて見えますし、反対にノーメイクでも背すじを伸ばしてさっそうと歩いている人はイキイキとしています。もともと持っていた資質だけでは闘えない世代だからこそ、後天的に鍛えられる部分で大きく差がつくんでしょうね

 年齢とともに筋力は低下する傾向にあるもの。しかし定期的に運動を続けたりすることで、いくつになっても筋力を向上させることができるということはさまざまな研究でも明らかにされています。

 「身体的な若々しさは、誰もがほぼ平等に、プライスレスで手に入れることができる。それが何より大きなメリットですよね。お金をかけずに情報を上手に収集して、運動や正しい食生活を日常的に取り入れていくだけでも、数年後、数十年後の体が変わっていくと思います」