コーチングを学ぶことで引き出しが増え、部下も劇的に変わった

――コーチ・エィ アカデミアを選んだ理由と感想を教えてください。
白井 コーチングを学び、かつ国際ライセンスを取得できる点が理由です。当時は大阪の自宅と東京の本社を往復する生活だったので、働きながらフレキシブルに学べるシステムも魅力でした。

 クラスではさまざまな人とディスカッションをしました。「こういった場面での質問を考える」という課題では、私には想像も付かない質問例が出て、その結果、意外な答えが戻ってきたり。「部下によってこんな言い方がいいんだな」と知り、すぐに現場で実践していました。さまざまな価値観に触れて、自分の引き出しを増やすことができ、大きな財産になりました。

――手法を実際に現場で使って、成果の出た例を教えてください。
白井 はい。能力が高いのに、自分は何もできないと思い込み、「すみません」が口癖のワーキングマザー社員がいました。あるとき、彼女に「がんばっているよね」と声を掛けただけでポロポロと涙を流し始めたのです。その方はそれほど追い詰められていたんですね。

 そこで、子どもが手を離れる頃の働き方を一緒に考えると共に、現在のルーティーンも含め、日々できたことを細かく振り返ることを習慣にしました。「謝るのをやめて、ありがとうから始めようよ」「帰ったら子どもと何して遊ぶ?」など楽しいイメージが膨らむようにしました。褒めるより叱るより、自ら「こんな工夫をしました」と報告してもらうように働きかけ、成果が上がれば「おかげで部内の効率が上がった。すごい」と。自己肯定感がより高まったと思います。

 北風と太陽の話をご存知だと思いますが、太陽が去りまた北風が吹き始めても、自家発電できる方法が身に付けば、その能力は一生もの、自立するようになるということをコーチ・エィ アカデミアで学びました。

――その後、その女性に変化はありましたか。
白井 それが、劇的な変化を遂げました。人前で喋るのも苦手で台本を読んでいた女性ですが、今や昇進して、全国の研修メンバーをとりまとめる立場です。大勢の前でアドリブを交えて堂々と話し、自ずとメイクや服装も明るくなり、自信で輝いています。

 プライベートでもコーチングは有効です。部下にはたくさんアクノレッジメント(承認)を出しているのに、夫には全く(笑)。こちらの対応を変えたら、これもまた劇的に夫婦げんかも減りました。

――仕事もうまくいくようになり、家に帰るとそこも居心地がよくて最高の環境ですね。最後に、現在の目標があったらぜひ教えてください。
白井 2018年から介護領域の人材ビジネスの会社の執行役員となりました。時代のニーズが高いジャンルです。介護施設への人材のマッチングのほか、介護施設の運営、介護と仕事の両立支援などに力を注いでいます。介護職の地位や収入を上げ、現場がもっとハッピーになること、そして介護離職がゼロになることを目指しています。

(取材・文/加納美紀 撮影/福知彰子 構成/太田留奈)

三宅さんと白井さんが受講したのは?

コーチング受講者は年々増加傾向にある。ここでインタビューした2人が受講したのは、好きな時間に電話のクラスでコーチングを実践的・体系的に学び、かつ専属のコーチによる1対1のコーチングセッションを重ねることで『コーチング型マネジメント』をマスターする「コーチ・エィ アカデミア」のプログラム。

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