「独学のマネジメントには限界が。コーチングで部下が次々管理職に」

株式会社パソナライフケア 執行役員/人材開発部長 白井和子さん

しらい・かずこ●1995年に株式会社パソナ入社。大阪で人事部採用担当、スタッフィング部門で登録担当を経て2010年より関西スタッフィンググループの責任者に。2014年に初の女性上級管理職研修である「WonderWoman研修」の1期生に選抜され1年間のプログラムを受講し、2015年9月より部門の全国責任者に着任。2018年に国家資格・キャリアコンサルティング技能士1級取得。2018年9月より現職。大学生、高校生の2児の母でもある。

収入の1割を自己投資 専門性を高めて必要とされる人材に

――1995年、就職氷河期の真っただ中に就職されたんですね。
白井さん(以下、敬称略) 当時は4年制大学文系女子だと、面接さえ受けさせてもらえませんでした。一方で私が面接を断られた企業から男子には声が掛かり、挫折感を味わいました。それが原体験になって、常に「自分を必要としてくれるところで働きたい」「必要とされ続けたい」という思いを持っています。

――活躍を重ねつつ早めの結婚・出産をし、その後の昇進スピードも早かったですよね。
白井 最初は人事部で新卒採用を担当しましたが、3年で結婚・出産して育休を取りました。育休明けの1999年からは対スタッフのキャリア支援部門で、求職者の面接・登録や仕事とのマッチングを担当し、ずっと同じ部門でキャリアを重ねてきました。

 2006年には小さなユニットの責任者、2010年に関西地区の責任者、そして2015年には全国の責任者になり部下の数が三桁に。本人が持っている実力以上のチャンスを与えてくれる社風なんです。

――その中で、難関資格のキャリアコンサルティング技能士1級を取得しています。
白井 同期の仲間が資格取得のために勉強していると聞いて、「私も自己投資して専門性を高めよう」と思ったのがきっかけです。30歳を過ぎた頃でした。キャリアデベロップメントのためには収入の1割を自己投資し続けようという話を聞き、その第1段でまず民間資格を取得しました。

 キャリコンサルティングの技術は求職者と仕事のマッチングやキャリアを応援するうえで役立つものです。しかしほかにも多くの発見がありました。受講仲間の中に、クレーン操作の現場仕事をしている女性がいました。彼女は教室でもリーダーシップを発揮していて、ぜひ一緒に働きたいと思うマネジメント力の高い素敵な人でした。

 でももし、面接の場だけで彼女と会っていたらそう感じられていたのか?それまで私は求職者の経験を元に仕事とのマッチングをしてきましたが、「履歴書だけで人を見てはいけない」と猛省しました。人の思いや、内なる可能性を理解することの大切さにも気づくことができました。

――2015年に全国を束ねるという責任の重い立場になっていますが、そこまでに迷いや悩みはありましたか?
白井 ずっと同じ分野担当で、会社の主軸である営業職を経験していないという点は非常に不安でした。大学では英文学専攻で経営や経理も詳しくなく、リーダーシップ、財務会計などさまざまな分野を独学し、マネジメントの立ち場を乗り切っていました。

 しかし2015年に全国の統括担当になると、それでは太刀打ちできなくなりました。かかわるメンバーが一気に三桁になり、顔を見たこともないスタッフもマネジメントしなければいけません。今までの引き出しでは力不足だと感じて、コーチングを本格的に学ぶことにしました。

「部下と自分がともに育つコーチング」についてはこちら