血液検査で見つかる前立腺がん。男性は50歳を過ぎたら定期検診を

 後半のトピックは、男性特有のがんである前立腺がんについて。医療記者として前立腺に関する取材や記事執筆を多数手がけた経験のある藤井さんが、この病気の特徴について説明しました。

 「前立腺は、膀胱からつながっている尿道の周りを取り囲むようについている、くるみ大の器官です。ここで起こる疾患のうち、良性のものが前立腺肥大症、悪性のものが前立腺がんになります。実は近年、この前立腺がんの罹患率が急増しているのです。高齢者に多いがんなので、45歳未満での発症はほぼありませんが、50歳から増え、60歳から急増。70代では200人に1人くらいの割合で罹患しています。一方で、今はとても良い治療法があり、死亡率は減ってきています。つまり、少しでも早いうちに、命に関わらないうちに見つけたいがんなのです」

 そして、「前立腺がんはどうやったら見つけられるのですか」という高橋さんの質問に、藤井さんは次のように話しました。

 「簡単なんです。PSAという血液検査でわかります。それだけで、がんの可能性のある人を見つけるための検査である第一次スクリーニングができるのです。この検査でがんが見つかった人の中で進行がんだった人は1割しかいませんが、尿が出にくいなどの症状を経て検査をした人は、その4割が進行がんだったというデータもあります。自治体の検診や人間ドックなどで、2000円程度の追加費用を支払うことで簡単に受けられますので、早期発見のためにも、50歳を過ぎたらぜひこの検査を受けてほしいですね」と説明しました。

 こうして、乳がんと前立腺がんについて学んだ30分間。最後に高橋さんは、「乳がんも前立腺がんも、早期発見が大切だということがよくわかりました。忙しい毎日を過ごす中、検診は私自身も面倒に思ってしまいがちなところがあるのですが、これを機会に、今後はパートナーと一緒に、定期的に受診したいと思います」と感想を述べました。

 トークショー終了後、観覧していた多くの女性たちが、乳がんのしこりタッチ模型を触ってその感触を確かめていました。きっと、このトークショーの話を自分ごととして真剣に受け止めていたのではないかと思います。

取材・文/鈴木友紀 写真/木村和敬