総合1位を受賞したのは花王グループ

 総合1位に輝いたのは花王グループ。同社では昭和初期から女性社員が活躍しており、2018年末にはグループ全体で女性管理職比率が27.3%となり、女性のエグゼクティブリーダーも増えている。花王代表取締役社長執行役員・澤田道隆氏は、同社が85年前の1934年に「婦人の生活の質向上のため」に長瀬家事科学研究所を設立し、長く女性活用に取り組んできた歴史を紹介した。

 そして「我が社の商品は化粧品や住居用洗剤など女性に多く使ってもらっているので、女性の活躍は我が社にとって重要であり、同時に女性の活躍を支援する商品も必要だと考えている。1980年代には大卒女性の採用を拡大し、その後も育児や介護支援制度の整備、男性の意識改革など男女ともに活躍できる環境づくりに注力してきた。女性が苦労しながらも制度を活用して働き続けてくれたおかげで、女性が働き続ける風土が醸成された。仕組みや制度を入れるだけでなく理解や浸透を図ることが重要で、それには時間がかかる。継続して実施していくことが女性活躍実現への道だと思っている」と力強く訴えた。

花王 代表取締役 社長執行役員 澤田道隆氏

 最後に、後援の内閣府から男女共同参画局長・池永肇恵氏が登壇した。池永氏は男女共同参画、女性活躍の現状を報告し、「この6年で就業者数が384万人増え、うち女性は75%にあたる288万人だったが、上場企業の女性役員は4.1%と低水準にとどまっている。今日の受賞企業のように女性活躍推進に取り組んでいる話を聞くと心強く感じるが、賃金格差、介護離職率の男女差、男性の家事参加率の低さなどまだまだ課題も多い」と解説した。

 そして「事業主による行動計画策定や情報公表を促進して女性活用を進めるべく、現在法改正に取り組んでいる。企業の環境・社会・ガバナンスの取り組みレベルを重視するESG投資が広がっており、機関投資家も女性活躍は企業経営にプラスに働くと評価している。今日受賞した企業は、今後ともさらに取り組みを進めてお手本になってほしい。首相官邸HPでも政府の取り組みが発信されているので、参加者の皆さんにもぜひご覧いただきたい」と締めくくった。上位入賞企業の取り組みや熱い思いに触れることができ、会場は大きな拍手に包まれ、表彰式は幕を閉じた。

内閣府 男女共同参画局長 池永肇恵氏

【「企業の女性活用度調査」とは】
『日経WOMAN』が1988年の創刊時から不定期に実施。今回で17回目を数える。
国内の有力企業4392社を対象に実施し、538社の回答を基に評価、採点を行いランキングを出した。企業における女性社員の活用の実態を1.管理職登用度 2.女性活躍推進度 3.ワークライフバランス度 4.ダイバーシティ推進度 の4つの指標で測定し採点している。

文/加納美紀 写真/稲垣純也