水をより美味しく安全に! 洗い物をするときは油を流さないように気をつけて

 毎日当たり前のように使っている水道水も、安全で美味しい水になるように処理されているからこそ使えます。与田さんはそんな水処理システムの提案や設計で、20年以上のキャリアがあります。オゾンを活用した水処理システムは、浄水場、下水処理場、工場排水処理などで使われていますが、課題はいかに使う電力を少なくして処理効果を高めるか。「上下水道のインフラは大きな電力を使うので、電力削減への取り組みは大きなCO2削減につながります」と与田さんは説明します。

 水に関わる仕事をしているだけに、生活排水への気遣いは人一倍。「油を下水に流すと処理が大変なことを実感していますから、洗い物をするときは油を流さないように気をつけています」

 現在は、水処理システムをアジアの途上国に提案する仕事を担当。遠くまで水を汲みに行っていた地域に、一から水のインフラを組み立てる場合もあります。「安全な水の利用と管理の仕組みを作る仕事そのものが、環境への貢献といえるかもしれません。そんな気持ちで頑張っています」と与田さん。熱意あふれるひと言ひと言に、大規模プロジェクトを担う女性技術者の誇りが感じられます。

与田真樹子さん
神戸製作所 社会システム第一部 計画第一課
神戸製作所で水処理システムに関する業務について23年。現在は東京本社でアジアを中心とした水処理プラントを担当。帰宅後は音楽を聴きながらゆったり過ごす時間を大切にしているそうです。