日経ARIAと日経ビジネス電子版の主催で、働く女性の新しいライフスタイルを提案するイベント「NEXT WORKING STYLE NIGHT for WOMAN」が東京ミッドタウン日比谷のBASE Qで開催された。テーマセッションではJ-WAVEのナビゲーゲーターとしてもお馴染みのクリス智子氏が出演し、約200人の働く女性の前で働き方や美容、キャリアについて識者と語り合った。

テレワークで働く人の“実際”とは?

 健康社会学者の河合薫氏によるオープニングトーク「たくさんの“キャリアレインボー”が架かる組織づくり?ー女性活躍のこれからー」に続いては、「働き方」「美容と健康」「キャリア」の3分野についてJ-WAVEナビゲーターのクリス智子氏がゲストを招いて掘り下げるテーマセッションを実施。

テーマセッションのナビゲーター、クリス智子氏
テーマセッションのナビゲーター、クリス智子氏

 「働き方」ではブイキューブ マーケティング本部の山田陽一氏、及川愛氏が育児や介護との両立を実現する「時間や場所に縛られない働き方」の事例を紹介した。“世界中でどこでも働ける働き方や環境の実現”を目指してビジュアルコミュニケーションサービスを提供しているブイキューブでは、「ORANGE ワークスタイル」というスローガンの下、従業員に対しても、自分に合った働き方の実践を推奨している。

 『ORANGE ワークスタイル』とは「いつでも、どこでも、自分らしく、自己実現を目指せる働き方」を実現するための考え方。「テレワーク」と「コアレス・スーパーフレックス」という主に2つの制度が柱となる。テレワークでは、自宅、外出先、サテライトオフィスのいずれの場所で働くことが許されており、コアレス・スーパーフレックスは、コアタイムがないフレックス制度で1日の執務可能時間は午前6時~午後9時の間で働けばいいというシステム。始業や休憩、中抜け、終業時刻は、クラウド上からアクセスできる勤怠アプリでこまめに打刻し、月間の稼働時間は8時間×稼働日数で計算するという。

 同社は2010年からテレワーク制度を導入していたが、利用対象者が限られ、在宅のみ、週1回など制約が多く、利用する社員は全体の3割程度に留まった。そこで、部署間を超えた『働き方推進プロジェクト』が発足し、メンバーと人事部による話し合いを重ねて規定を改定したのが、ORANGE ワークスタイルだ。 

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 改定後は、全社員が回数制限なく利用でき、在宅やモバイル、サテライトワークのいずれも可能に。さらにこれまでの固定時間制や裁量労働制に加え、コアレススーパーフレックスタイム制を追加した。「その結果、2018年は9割以上の社員がこの制度を利用し、社内に認知・定着しつつあります」(山田氏)。

 育児をしながらマーケティング本部で働く及川氏は、一昨年からORANGE ワークスタイルを選択。オフィスワークでは9時~16時半、週2~3回のテレワークでは9時~17時半まで働いている。「移動時間がない分、保育園のお迎え時間いっぱいまで働けるし、家でも働いても支障がない環境に整っているので、オフィスでもテレワークでも同じパフォーマンスの仕事ができるようになってきました」(及川氏)。

 同じ部署でマーケティングプロモーション全般の制作物を担当している山田氏もテレワークが週5日、オフィス勤務は月2~3回という働き方。「移動時間を育児や家事、趣味や勉強などの自分の時間に使えること、自分を見つめる時間を持てることが、この働き方から得られる最大のメリット」と山田氏。「ただし、家で働くということは、ここからが仕事、ここからが家事といったけじめや頭の切り替えが必須。家で仕事をすることに対しての家族の理解も必要です」。

ブイキューブ 山田陽一氏(右)、及川愛氏
ブイキューブ 山田陽一氏(右)、及川愛氏