働く女性のロールモデルとなりうる女性を表彰する「Women of Excellence Awards」。第5回授賞式がWOMAN EXPO TOKYO 2019で開催され、ロコ・ソラーレ代表理事・本橋麻里さんがビジネス部門、野村アセットマネジメントCEO兼代表取締役社長・中川順子さんが第5回記念特別賞、女優の大塚寧々さんがスペシャリスト部門をそれぞれ受賞した。

第5回Women of Excellence Awardsを受賞した本橋麻里さん、大塚寧々さん、中川順子さん
第5回Women of Excellence Awardsを受賞した本橋麻里さん、大塚寧々さん、中川順子さん

ロールモデルの存在が自分らしく輝くヒントに

 第5回Women of Excellence Awardsの授賞式が5月18日、六本木の東京ミッドタウンで開催された。回を重ねるごとに注目度が高まっているアワードだけに、報道関係者やたくさんの観客が会場を埋め尽くした。

 このアワードはプロフェッショナルとして実績を重ね、新たに道を切り拓く女性リーダーや傑出したスペシャリストに贈られる。ビジネス部門とスペシャリスト部門の2つの部門があり、さらに今回は第5回記念特別賞も選出した。いずれも多くの女性が目標にするような、ロールモデルにふさわしい女性が選出される。選考のポイントは「あくなき探求、挑戦を続ける仕事ぶり」「長年の功績や至高の技芸」「新たな道を拓いた先進性や後進育成への尽力」「知性と研鑽により内から輝く魅力」の4点だ。

 受賞者の発表に先立ち、日経BP執行役員、経済メディア本部副本部長、ライフメディア総局長の高柳正盛が主催者を代表して挨拶し、本アワードの趣旨を説明した。

 「若いころに企業の取材に行くと対応してくれるのはほぼ男性だったが、最近は取材に行くと優秀な女性が対応してくれることが増え、時代が変わったことを実感する。日経BP社では30年以上前から働く女性を応援し、いろいろなイベントやアワードを主催してきたが、このアワードは企業の方との間でよく話題に上る。女性の働き方、生き方が多様化している中で、ロールモデルを提示するこの賞が世界で働く女性を勇気づける賞になってほしい」と語った。

 続いて協賛のセイコーウオッチ代表取締役社長兼COO兼CMOの高橋修司氏も登壇し、本アワードへの思いを述べた。

 「1927年、昭和2年に女性の腕時計が生まれ、ブレスレットタイプを発売するなど進化させてきた。今後はますますグローバルな舞台でビジネス、社交の場で活躍するであろう女性たちに、自信と誇りを与えてくれる腕時計を目指して開発を続けていく」と語った。

個性豊かに輝いている3人が受賞

 記念すべき第5回目の受賞者は誰なのか。期待が高まるなか、ドラムが鳴り響き、受賞者の名前が発表された。

 ビジネス部門を受賞したのはロコ・ソラーレ代表理事・本橋麻里さん。12歳でカーリングを始め、2006年トリノオリンピック、2010年トリノオリンピック8位と2大会連続出場。出身地の北海道北見市で新チーム「ロコ・ソラーレ」を設立。2018年の平昌オリンピックでは日本のカーリング史上初の五輪銅メダルを獲得し、チームをけん引する姿勢やリーダーシップが注目された。2018年夏には選手休養を表明し、一般社団法人ロコ・ソラーレを設立。現在は代表理事としてチーム運営、育成チーム「ロコ・ステラ」のコーチなどチームを支える活動を行っている点も評価された。

 第5回記念特別賞に輝いたのは、野村アセットマネジメントCEO兼代表取締役社長・中川順子さん。一般職として野村証券に入社し、支店勤務などを経て一度は退社。その後2008年に野村グループの子会社に復帰し、同年代表取締役社長に。2010年野村ホールディングスCo-Deputy CFO、2011年執行役財務統括責任者、2013年グループ・インターナル・オーディット担当執行役員、2017年野村アセットマネジメント執行役員を経て、2019年4月に社長に就任した。

 スペシャリスト部門は女優の大塚寧々さんが受賞。1992年、ドラマ『君のためにできること』で女優デビュー。ドラマや映画、CMなど話題の作品に多数出演し、透明感ある演技で人気を集め、この夏は劇場版『おっさんずラブ~LOVE or DEAD』の全国ロードショーも控えている。写真、絵画、陶芸、書道と幅広い趣味で才能を発揮し、家族に関するコメントも多く充実したプライベートも注目されている。いくつになっても変わらないナチュラルな愛らしさと大人の雰囲気の両面を持ち、あらゆる世代あら人気を集めている大塚さんには、今後も大きな期待が寄せられている。

 本橋さんは「オリンピックが終わってバーンアウトしないように頑張ってきたので、このような賞をいただいて嬉しい。この先も自分のペースでがんばっていきたい」と大きな笑顔で語った。

 中川さんは「多様なバックグラウンドを持った人が増え、女性の活躍の場、人生の選択肢も増えたぶん迷うことも多いが、人生を自分でデザインできる時代になった。これからも引き続き、自分の役目を果たしていきたい」とコメントした。

 大塚さんは「時間というのは戻りません。こうして話している今も、一瞬一瞬を大切に、自分も周りの人も、笑顔ですてきな時間を過ごせるように生きていきたい」と話すと会場は大きな拍手に包まれた。

 審査員を務めた松永真理さんは「受賞した3人は仕事は違っても、それぞれ1カ所にとどまることなく、常に変容している。令和の時代は、うるわしき女性のリーダーが引っ張っていくのだと感じる。それにふさわしい女性たちが受賞できたことをうれしく思う」と受賞者をたたえた。

取材・文/加納美紀