収束が見通せない新型コロナウイルス問題。仕事がテレワーク(在宅勤務)に切り替わった、テレワークが1カ月を過ぎたという方も多く、いろいろな悩みが生まれているのではないでしょうか。テレワーク歴28年、テレワーク専門のコンサルティング会社・テレワークマネジメント社長・田澤由利さんにその解消法を聞きました。

 日経ARIA編集部が2020年4月14~30日まで読者を対象に行った「コロナ対策・リモートワーク 緊急アンケート」の回答数は、1132件(うち女性92.9%)。多くの声が寄せられましたが、テレワークに関する悩みや不安の多くは、田澤さんが挙げる「テレワークあるある」に一致しています。では、その解消法は?

テレワークあるある1/気が緩む&仕事をし過ぎてしまう

 「テレワークあるある」の第一に挙げられるのが、自宅だと気が緩んでしまう、逆に仕事をし過ぎてしまうこと。テレワークの基本は「会社と同じ時間、同じ気持ちで仕事に取り組む」ことです。その基本にのっとり、私からのアドバイスは「まず、毎日同じ時間に始業し、同じ時間に終業する」ことです。そのためには、気持ちの切り替えが大切です。

 自分で仕事スイッチのオン・オフを切り替えるのが難しい方には、始業や休憩、終業時間にスマホのタイマーをセットして音楽が鳴るようにするなど、自動で五感に働きかける工夫をお勧めしています。音楽や映像が流れるとがらりと気持ちが切り替わりますよね。学校のチャイムと同じように「この音楽が鳴ったから終わりだな」と耳からも知らせるのです。もう一つ、気持ちの切り替えに役立つのが「出社する服装に着替えてから始業し、終業したら部屋着に着替える」ことです。

 なお、お昼休憩の時間もきっちり取ることが大事。お昼休憩を知らせるために、テレビのオンタイマーをセットするのもお勧めです。「お昼のニュース」が始まると、休憩しようという気持ちに切り替わります。

「オン・オフがあいまいになってしまい、うっかり働きすぎる」「運動不足になる」「コミュニケーション不足になる」など、読者アンケートからはテレワークに関する多くの悩みが寄せられました
「オン・オフがあいまいになってしまい、うっかり働きすぎる」「運動不足になる」「コミュニケーション不足になる」など、読者アンケートからはテレワークに関する多くの悩みが寄せられました

 自立できる人だけがテレワークをするわけではありませんから、どうしても気が緩んでしまう人もいるでしょう。そんな人に、単純ながらも効果があるのが「自分へのご褒美を決めて仕事に取り組む」こと。例えば「終業時間になったら」「○○の業務が終わったら」ご褒美としてスイーツを食べる、犬や猫と遊ぶ……など。テレワークが長くなればなるほど、気持ちの切り替え方法を自分でつくる、小さな工夫が大事になってきます。いずれも明日からすぐにできること。ぜひお試しください。