世界のジェンダーギャップを埋めるのにかかる時間は?

白河 コーポレートガバナンスコードの改訂で取締役会の多様性が求められるようになったことの影響も大きいですよね。

田代 過渡期においてはある程度の強制力は必要だと思います。社会要請のなかから女性の取締役を入れてみたら、「なんだ、意外と良い発言をするじゃないか」となって次につながればいいので。取りあえず、台に乗せなければ進まない。社外取締役の規定もそうでしたが、取りあえずやってみることでメリットが共有されることも多いと思います。

白河 意外でした。田代さんのように自力で道なき道を切り開いてきた世代の女性たちは「下駄を履かせるのは反対」とおっしゃるのかと。

田代 何もしなくて男女が同数昇進する世の中になっていれば不要ですが、実際はそうなっていませんよね。だから、自然に女性が上がるのを待つのは無理。クオータ制(議会や企業の取締役会の一定数を女性にすることを義務付ける制度)の導入には私は賛成です。

白河 3月に開催された国際女性会議WAW!で聞いたのですが、現状のまま世界のジェンダーギャップを埋めるには7世代200年もかかるそうですよ。企業のジェンダー平等の情報を投資に利用するジェンダー投資、「女性取締役がいない企業には入れるように申し入れる」といった海外の機関投資家からのプレッシャーも高まっていると報道されています。

田代 外圧は有効に利用すればいいと思います。ただし、外国のやり方をそのまま取り入れて継続できるかといえばそうとも限りません。日本に合ったやり方を日本人が考えていく必要はあると思います。

白河 例えばどんな点でしょうか?

「今回の人事発表では、女性の執行役員が大和証券だけで6人に、グループ全体では9人にも増えて、非常に潤沢なプールがあるという点に感銘を受けました」

田代 例えば「新卒から持続的に育成することが組織を強化する」「生え抜きであることがキャリアのプラスに働きやすい」といったことが日本企業ならではのカルチャーだとしたら、「キャリアが継続されやすい支援の制度化」が必須になります。

白河 なるほど、出産や介護を理由に途中で辞めないための施策ですね。