田代 やはり活躍する女性の数が継続的に増えているかどうかだろうと思います。順当に評価すれば、男女の数が1対1になるのが自然なのに、明らかに女性が少ないままなのは不自然ですし、経営者が変わるたびに増減するというのもおかしい。「うちには女性役員がいる」と言って、その数がたった一人で部長級はほとんどいないのだと、持続不可能なことは明らか。役員にならない女性たちも含めてのキャリアを継続的に考えることが重要だと思います。

白河 その意味で、今回の御社の人事発表では女性の執行役員が大和証券だけで6人に、グループ全体では9人にも増えて、非常に潤沢なプールがあるという点に感銘を受けました。田代さんの後に続く女性を育てていく、という本気度を感じます。会社の本気度について、中にいた田代さんはいつ頃から感じるようになってきましたか?

田代 12年ほど前からですね。当時社長だった鈴木茂晴が部店長会議で「女性を辞めさせるな」という直接的なメッセージを社内で発するようになりましたし、2007年から始まった「全員19時前退社」のルール化も一つの象徴。これも、女性が継続的に活躍するための施策として導入されたものでした。

白河 私も金融業界にいたのでよく分かるのですが、「不夜城」といわれた証券業界では画期的な取り組みですよね。以前、鈴木最高顧問にインタビューしたときに「100年の働き方を変えた」と聞きました。

田代 ただ、私はこの「19時前退社」はまだまだ過渡期のステップにすぎないと考えています。本当は、人それぞれが自分に合う働き方を選択できる社会になることがベストです。例えば、「入社後2〜3年はがむしゃらに働いてお金を貯めて留学資金にしたい」という若者もいるでしょう。選択肢は絶対にあったほうがいいと思っています。

 これまでは長らく「どんな人でも長時間労働」が前提になっている社会でしたので、それをリセットするための一時的施策として「全員19時前退社」は必要なのだと思います。

白河 価値観を変えるためのショック療法ですよね。評価方法の改革も必要だと指摘していますね。

田代さんの座右の銘は「細心大胆」。細かいところまで心を配り、行動は思い切りよく。これを心がけている