健康長寿者の腸には酪酸菌が多い

 京都府立医科大学による「京丹後長寿コホート研究」では、長寿者の腸内には酪酸菌が多いことが明らかになりつつある。

 この研究の腸内フローラの解析を担当されている同大学消化器内科学教室の内藤裕二准教授は、「この結果とは対照的に、体調不良により外来を受診する人の腸には酪酸菌が少ない。こうしたことから、酪酸菌の摂取が健康長寿に何らかの貢献をすると推測できる」と話す。やはり酪酸菌によって腸を鍛えるのが今後の腸活のポイントとなりそうだ。

 酪酸菌を増やすために、日常生活で意識したいのが運動と食事。運動は1日30分程度、少し息が上がるくらいが目安。ランニングやサイクリングなどの有酸素運動も有効とされる。

運動すると酪酸菌は増える
運動によって酪酸を産生する酪酸菌が増えることが研究によって明らかになっている。左)BMI別に分けた2グループが中程度から強度の30〜60分間の運動を週3回、6週間続け、その後6週間は運動しない生活を送った。その結果、BMIにかかわらず運動期間中に酪酸菌が増え、運動をやめた後は減少した。この結果は普通体重かやせの人でより顕著だった。出典:Med Sci Sports Exerc. 2018 Apr;50(4):747-757。右)プロラグビー選手と座ることが中心の生活習慣の健常者の便を比較したところ、ラグビー選手の腸内には酪酸などの短鎖脂肪酸が多かった。このことから、運動と酪酸の関連が示唆される。出典:Gut. 2018 Apr;67(4):625-633

 食事では、食物繊維を積極的に摂取することで酪酸菌にエサを与えることができる。また、酪酸菌そのものもとりたいところだが、酪酸菌を含む食品は身近なものではぬか漬けと臭豆腐くらい。

補給するには、酪酸菌を配合したサプリメントや整腸剤などを利用するのも一つの手だ。


内藤裕二
京都府立医科大学消化器内科学教室 准教授
内藤裕二 消化器病学の専門家として最先端の研究を行う傍ら、臨床の場で30年以上にわたり5万人以上を診察した経験を持つ

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