人の話を聞ける、というのは大事な能力

高倉 そうですね、あまり「ダメ」とは言いません。勝手なプレーやグラウンド上でのサボり、気分でプレーが変わってしまうなど、「それはダメなのでは?」というときは伝えますが、プレーの選択ミスやトライしてエラーしたことに関しては、自分のミスだなと選手が一番分かっています。もちろんミスをすぐに認める選手だけでなく、認めたがらない選手、自分のミスだと気付かない選手もいますので、それは私が言うかコーチが言うのかその時々で判断しますけど、「あのプレーはどんな感じだった?」と聞きます。映像を使って説明するなど、選手が納得して次のプレーにトライできるのが理想だと思います。

 素直な選手はやはり伸びますね。人の話を聞けるというのは大事な能力です。その上で自分で取捨選択をすればいい。聞いて「あ、そうか」と腑(ふ)に落ちる場合もあるでしょうし、腑に落ちていなくても「そうか、そういう考えもあるんだな」と思えばいいんです。

―― 少し言いにくいことを伝えるタイミングなどで、意識していることはありますか。

高倉 合宿中は食事の後などに選手を部屋に呼んで、いろいろな雑談をしながらプレーの話をします。特にベテランというか年齢の高い選手に対しては、尊重すべきところはあると思いますし、またチームの中での役割などこちらが望んでいることも多いので。若い選手は「自由にやって!」と思っているので、よほど元気がないとか、プレー中もあさっての方向を向いている場合などは、気に掛けて話しかけたり、ハッパを掛けたりします。

選手同士が話しているときは、なるべくその場にいないように

―― 一般の会社でもあると思うのですが、選手(会社だと部下)によって監督(会社だと上司)に積極的に話し掛けてきたり慕ってきたりする人と、監督(上司)のほうからコミュニケーションを取らないとほとんど話し掛けてこない、というタイプの人がいると思います。対応に違いはありますか。

「素直な選手はやはり伸びますね。人の話を聞けるというのは大事な能力です。その上で自分で取捨選択をすればいい」