監督やコーチに「こうしなさい」と言われるのが嫌いだった選手時代

―― 意外です。どのあたりが向いていないと思ったのでしょうか。

高倉 私は選手時代、監督やコーチに「こうしなさい」と言われるのが極端に嫌いだったんです。自分で選んで自分で考えるサッカー人生を送ってきました。もちろん自分でやっているつもりでも、いろいろな人の助けがあったということは、今となれば分かりますけれど。でも「自分の生き方は自分で切り開くものなんじゃないの?」と思っているから、国内のスポーツシーンでありがちな「監督に怒られるから」「コーチにこう言われたから」とやみくもに従う姿勢にはものすごく違和感があって。ですから「教えてあげる」人のイメージが強い監督には、私は向いていないかなと思っていました。

 チーム内のルールやゲームの中での戦術など、選手に伝えるべきことは伝えます。でもそれ以外の「自分は何がしたいか」ということは、選手ごとに答えがあります。それを表現するのは自分です。「自分でうまくなれ」と若い選手にはいつも言っています。何からでも学べるんです。サッカーを見ても学べるし、他の世界の人と話しても、歴史書を読んでも、何かしら学ぶことはある。

 私はあまり「こうしろ、ああしろ」と言うタイプの監督ではないと思います。大枠は伝えますし、戦い方などを決めることはありますけれど、グラウンドでプレーするのは選手なので「あとはやってみなさい」という感じ。けれども、これまで監督やコーチに指示されてきて、考える習慣がない選手は「どういうふうにしたらいいですか?」と答えを欲しがります。そのときは「そこは自分で考えることじゃないの?」と伝えます。でも最終的に分からない選手に対しては、「こういうプレーもあるよね」という引き出しは監督として持っていなければならないと思っています。

―― プレーなどにも「ダメ」とは言わないタイプの監督ですか?

「『自分は何がしたいか』ということは、選手ごとに答えがあります。それを表現するのは自分です。『自分でうまくなれ』と若い選手にはいつも言っています」