新型コロナウイルスの感染拡大により、仕事や生活で思わぬ壁に直面し、ストレスや不安を感じる人が増えています。「こんなときこそ、本当の自分を受け入れて、強みに焦点を当ててほしい」と話すのは、ベストセラー『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の翻訳者で、ギャラップ認定ストレングスコーチの古屋博子さん。実際にストレスを跳ね返し、逆境を乗り越えた人たちは、どんな気づきを得たのでしょうか。


 新型コロナウイルスの感染拡大によって、職場や日常の風景は一変しました。この先どうなるのか予測がつかないことで気持ちが落ち込んだり、自分で気づかぬうちに疲れをためたりしている方も多いのではないでしょうか。身辺に大きな変化が起こった方もいらっしゃるかもしれません。

 1日も早い事態の収束を願っていますが、ものすごいスピードで起きつつある職場や社会環境の変化は、さらに加速することが予測されます。たとえ収束したとしても、私たちが「先の読めない時代」の入り口に立っていることは間違いないでしょう。

 しかし、誤解を恐れず、あえて私は言いたいと思います。先が見えない状況でも、希望と勇気を持って生きることはできると。

 そのためにも、「強みに焦点を当てること」がいかに大切か、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。

古屋博子(ふるや・ひろこ)/ギャラップ認定ストレングスコーチ。フラリシュ・コンサルティング代表取締役。ギャラップ社でストレングス・コーチングコース等の講師を務めるほか、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の翻訳も手掛ける。慶応義塾大学大学院で修士号(政治学)を、東京大学大学院で博士号(学術)を取得
古屋博子(ふるや・ひろこ)/ギャラップ認定ストレングスコーチ。フラリシュ・コンサルティング代表取締役。ギャラップ社でストレングス・コーチングコース等の講師を務めるほか、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の翻訳も手掛ける。慶応義塾大学大学院で修士号(政治学)を、東京大学大学院で博士号(学術)を取得

先の読めない時代こそ自分の「強み」を考える

 私は、これまで「ストレングスコーチ」として、長年大勢の方々と対話を行ってきました。コーチングの狙いは、質問をすることによって相手の発見や気づきを促しながら、自分の力だけでは解決できない問題の答えを一緒に引き出すことですが、私が、単なる「コーチ」ではなく「ストレングスコーチ」と名乗るのには2つの理由があります。

 1つは、コーチングを行う際に、その人の「欠点」ではなく「強み(ストレングス)」に焦点を当てているから。もう1つは、強みを生かすことによって高いパフォーマンスが得られるように支援しているからです。欠点を矯正するより、好きなことや得意なことに焦点を当てたほうが圧倒的に大きな成果が得られることは、さまざまな調査や研究で明らかになっています。

 実際にこのコロナ禍で逆境に直面しながらも、強みに焦点を当てることによって、困難な仕事を成し遂げたり、業績を伸ばしたり、前向きにキャリアを伸ばしたりしている人たちがいます。そんな方々の声を紹介しましょう。