2月18日の夜、「日経ARIA」の創刊を記念して、輝く女性3人によるライブインタビューが行われました。出演してくれたのは、起業家のタスカジ代表・和田幸子さん、パラレルキャリアを目指す女性を支援するエール代表・美宝れいこさん、そして起業や副業を後押しする支援も行っているフェイスブックジャパン執行役員・下村祐貴子さんです。インタビューの様子はフェイスブックを通じて配信され、たくさんの方に視聴していただきました。ARIA世代の女性たちをエンカレッジする対談の様子を詳しくご紹介します。

左からタスカジ代表・和田幸子さん、パラレルキャリアコンサルタントの美宝れいこさん、フェイスブックジャパン執行役員の下村祐貴子さん
左からタスカジ代表・和田幸子さん、パラレルキャリアコンサルタントの美宝れいこさん、フェイスブックジャパン執行役員の下村祐貴子さん

起業前にリスクの棚卸しをしたら気が楽になった

――人生100年時代の中、ARIA世代はまだ人生の折り返し地点で、これから新しいステージが始まるという方々です。今は3人に1人は起業を考えていると言われますが、和田さんはなぜ起業されたのですか?

和田幸子さん(以下敬称略) 以前勤めていた富士通では、システムエンジニアとして新規事業の立ち上げを経験していました。その中で、世の中の課題を直接的に解決するサービスを立ち上げたいという思いがどんどん湧いてきたんです。ところが、子どもが生まれると、今までのようにキャリアにチャレンジすることが難しくなった。回りに同じ状況の女性がたくさんいたので、これは社会課題だと気づきました。家事をサポートしてくれる人を簡単に見つけられる仕組みがあったら女性が助かるし、キャリアを作っていける世界になると思って、家事代行マッチングプラットフォームの会社を立ち上げました。

――でも14年も勤めた会社を辞めるとなると、不安もありますよね。

和田 起業前にリスクの棚卸しをしたら、“リスクだと思い込んでいる部分”も多いと気づきました。たとえば「すごい借金を背負って倒産したら破産だ」と心配していたけど、「借金をしなければいいんだ」と考え方を変えてみました。「自己資金でできる範囲にして、だめなら終わらせる」ことにすれば、不安はなくなります。貯金を切り崩して生活できる1年半で期限を区切り、子どもの教育費は会社員の夫に当面は任せることにしました。

下村祐貴子さん(以下敬称略) パートナーと話し合うことは大事ですね。新しいビジネスを世の中に認知してもらうために、どんなことをされたんですか。

宣伝にお金がかけられない中、助けになったのがSNS

和田 自己資金200万円はシステム開発だけで使い切ってしまい、宣伝にお金はかけられませんでした。その時、助けになったのがSNSでした。立ち上げ前に意見をヒアリングした方たちがフェイスブックで友達になってくれて、事業の進捗状況を投稿すると「いいね!」を押してくれたり、情報をシェアしてくれたり、トライアルユーザーになってくれたりしました。無料でどんどん新しいユーザーが増え、サポートしてくれる人が増えて、すごく助けられました。

――人を集めるにもPRにもSNSを活用したんですね。テクノロジーの進化のおかげで、起業の敷居が下がってきているというっていうことですね。

美宝れいこさん(以下敬称略) 私も同じです。会社員時代にアロマサロンを立ち上げましたが、和田さんと同じで広告費が一切かけられなかったので、フェイスブックや無料ツールで発信してお客様に来ていただくことができました。

下村 そういった声を聞くと、中小企業やスタートアップの方達に、もっともっと使いやすいサービスを提供したいと思いますね。

――起業するとき、最初はフェイスブックやインスタグラムを使うのはちょっと怖いな、と思われる方もいるようですが、皆さんはいかがでしたか。

和田 いきなり“友達”が増えるわけではないから、心配することはないと思います。私は最初はクローズドの投稿機能を使って身近な人から「こんなことを言ったら、どんな反応があるんだろう」と試してみて、少しずつ拡大していきました。

美宝 友達としてつながってメッセンジャーで挨拶をすると、「初めまして」の人でもつながりやすくなりますね。日々の投稿が見えるから安心感も生まれるし、親しみが湧いてきて、コメントとかメッセージのやりとりだけなのに友達みたいな感覚になる。フェイスブックならではだと感じます。

下村 「デジタルやテクノロジーは使いこなせない」と思っている女性も多いのですが、フェイスブックでは2016年に日本の女性起業をしたいという方を支援するハッシュタグ、起業女子プログラムをスタートさせています。動画の使い方や資金調達の手法といったコンテンツもあります。受講者同士でつながりができるメリットもあるんですよ。

タスカジ代表の和田さん「宣伝にお金はかけられませんでした。その時、助けになったのがSNSでした」
タスカジ代表の和田さん「宣伝にお金はかけられませんでした。その時、助けになったのがSNSでした」