もし家族が新型コロナウイルスに感染したら

 東京都健康安全研究センターのアドバイスは非常に有用です。

 ポイントは、看護するのは家族のうちの1人にして、それ以外の人は患者に不必要に接触しない、患者が使用したティッシュやマスク、看護人が使用したマスクや手袋はビニール袋に入れしっかりと口を縛る、患者や家族がよく触れる場所(トイレの流水レバーなど)を清掃・消毒する、などです。

 QRコードから、小さな子どもにも分かりやすい「ガチャピン・ムックの正しい手洗い」の動画を見ることが出来ます。ぜひ家族で共有してください。

「濃厚接触者」とは?
 新型コロナウイルスの感染者が出るたびに話題に上るのが、「濃厚接触者」という言葉です。新型コロナウイルスに感染した人と「濃厚接触」があったかどうかで、感染のリスクは異なります。ではこの「濃厚接触」とは、具体的にどのような接触を指しているのでしょうか。

 国立感染症研究所によると、「濃厚接触者」の定義は以下のようになっています(病原体によって濃厚接触者の定義は変わります)。
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当するものである。

(1)世帯内接触者:「患者(確定例)」と同一住所に居住する者
(2)医療関係者等: 個人防護具を装着しなかったまたは正しく着用しないなど、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」の診療、処置、搬送等に直接係わった医療関係者や搬送担当者
(3)汚染物質の接触者:「患者(確定例)」由来の体液、分泌物(痰など〔汗を除く〕)などに、必要な感染予防策なしで接触した者
(4)その他: 手で触れることまたは対面で会話することが可能な距離(目安として2m)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者等

文/大西淳子=医学ジャーナリスト

大西淳子
医学ジャーナリスト
大西淳子 (おおにし・じゅんこ)/筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆