瞳のエイジングケアを始める目安は45歳

<b>福島努(ふくしま・つとむ)</b>マネージャー<br>シード 学術部 学術渉外室。コンタクトレンズの設計開発担当。大学や企業との共同研究のほか、学会、講演会などで講師を務める。コンタクトレンズの処方現場である眼科施設にも精通
福島努(ふくしま・つとむ)マネージャー
シード 学術部 学術渉外室。コンタクトレンズの設計開発担当。大学や企業との共同研究のほか、学会、講演会などで講師を務める。コンタクトレンズの処方現場である眼科施設にも精通

福島努さん(以後、福島) 目は角膜と水晶体の2枚のレンズでモノを見ています。スマホなど近くを見る時には毛様体筋という目の筋肉が収縮し、水晶体を膨らませてピント調節しています。

 この調節力は、誕生時をピークに落ちていきます。年齢を重ねるにつれて水晶体が固くなって膨らみにくくなり、近くにピントが合わせにくくなるのです。これがいわゆる老眼の始まりで、見え方の変化に気づき始めるのは45歳前後といわれています。実際の臨床的な老眼は、自覚とともに本人が困るか困らないかで判断されます。

藤井 なるほど、そうなんですね。

20代に比べ40代は、近くを見るためのピント調節力がダウン。手元のスマホを遠ざけた方がピントが合うこと、ありませんか?(図はイメージです)
20代に比べ40代は、近くを見るためのピント調節力がダウン。手元のスマホを遠ざけた方がピントが合うこと、ありませんか?(図はイメージです)

久保田 私が最近特に感じているような目の疲れ、乾きなどの症状も、加齢と関係ありますか。

福島 薄暗い所での見えにくさや夕方の目の疲れは、瞳のエイジングサインです。近くのモノが見えにくくなる頃は、毛様体筋がとても頑張っている状態なので、一番目が疲れているのです。

牛窪 すごく説得力がありますね。

福島 リモート会議だと画面と手元の資料を交互に見る際にピントが合いにくかったり、画面共有資料の文字が読みにくいといった不便を感じることもあると思いますが、この状態を放置していると肩こりや眼精疲労、頭痛などを引き起こす場合もあります。

 老眼を認めたくない気持ちは私もよく分ります。ただ、目の不調は仕事のパフォーマンスにも大きく影響を及ぼします。適切な矯正方法がありますので、ぜひ眼科を受診してみてください。