1万回以上再生されている日経ARIAのブランドムービーは、3人の働く女性が織りなす人間ドラマです。映像とともに流れるゴスペルのBGMは、ARIA世代へ送る人生の応援歌にも聞こえます。制作に深く関わったコピーライターのこやま淳子さんと映像監督の太田良さんに、作品にこめた思いを、上編『今までにない“共感される”働く女性像を描きたい』に引き続き伺いました。

「次の挑戦」に迷わず進める人って多くない

―― ムービーの制作スケジュールは、かなりタイトだったと伺いましたが……。

太田良さん(以下、敬称略) 企画が決まってからムービーの納品まで1カ月もありませんでした。描き直しも何度かありましたし、撮影から納品までは1週間ほどでした。通常のフローの4分の1くらいのタイトなスケジュールでした。

―― 演出コンテを描き直した、というのは?

こやま淳子さん(以下、敬称略) 最初の演出コンテは働くシーンが少ないということでやり直しになったんです。そのとき日経ARIAのコンセプトは、「女性が40~50代になってライフステージの転機を迎えて次の挑戦をする時、その後押しをするメディア」と編集部から聞いたこともあって、2回目の演出コンテではDINKSのヒロミがゴスペルを歌う設定を監督が考えてくださったのですが、そこまで描いちゃうと逆に共感が得られないのではと議論して、またさらに直したんです。

太田 そう直してよかったと思うんです。「次の挑戦」に向かって迷わず進める人って、多くないと思うんですよね。チャレンジするのって時間も体力もお金も必要だし、大変だし、そもそも面倒臭い。「歌う」のようなチャレンジする姿を直接的に描くよりは「自分を変えたい」と思う瞬間や、そのきっかけにたどり着く過程こそ人は輝き、日経ARIAの読者にも共感されると考えました。

ゴスペルのシーンは、当初は主人公が自ら歌う設定だった
ゴスペルのシーンは、当初は主人公が自ら歌う設定だった