日経ARIAの媒体発表と同時に公開されたブランドムービーは、創刊を前に1万回以上再生され、大きな反響を呼んでいます。主人公は、3人の働く女性。シングルの管理職、DINKS(Double Income No Kids)、中学生の子がいるワーキングマザー――。三者三様のARIA世代の生き方が投影された映像には、どのような思いが込められているのか。制作を主導したコピーライターのこやま淳子さんと映像監督の太田良さんに、制作秘話を伺いました。

ただ強いだけの女性には誰も共感しない

―― 3人の働く女性の人生が交錯する約2分間のブランドムービーが昨年来、話題になっています。シングル、DINKS、ワーキングマザー……さまざまな立場の女性たちが登場人物に自分を重ね合わせて、「思わず泣いた」という声が数多く寄せられています。この世界観を貫くメッセージをゼロから紡ぎ出したコピーライターのこやまさんが、今回制作に携わった経緯から教えてください。

こやま淳子さん(以下、敬称略) 初め、『日経ARIA』という新しいWebメディアの話を伺った際は「そんな媒体のブランディング、うまくいくのかなあ?」って正直思いましたね。ARIAの読者像は、バリバリ働いている40~50代のキャリア女性で、起業していたり、管理職だったり……。そんなバリバリな女性たちをそのまま広告で描いても全然共感されないだろうなぁと、気が乗らなかったんです。

 でも話を進めるうちに「ARIAってまさに今の私じゃない?」って思うようになって。40代で働いていて、それなりに生活を楽しむ余裕もある……、でも、どうしてこんなに気が進まないんだろうと考えた時、分かったんです。そもそも40~50代の働く女性をきちんと描いた表現が、あまり世の中になかったんですよね。

 従来の40~50代女性像って、母親として頑張る姿や、独身女性の恋愛劇みたいなものはよく描かれるけれど、働いている女性の場合は、怖そうな人か、スーパーウーマンか、もしくはちょっとエロい上司とか……。40代の私でも他人事にしか思えないようなイメージばかりでした。本当はもっと皆に共感してもらえる「働く女性像」があるのではないかと考え直して、今回のメッセージが生まれました。

「『女性の生き方』なんてない。『私の生き方』があるだけだ。」──コピーライターのこやま淳子さんはARIA世代へのメッセージを紡ぎ出した