■ 子どもがいる人、特に子ども中心に過ごしたような人は、子離れのタイミングで、「今後、どうやってこの後の人生を過ごそう」とぼうぜんとしてしまったりする。でも私たちは、40代などで子どもがいない人生を覚悟したときから、その後の人生についてじっくり考える機会があったと思う。なので、子どもがいる人より人生を考える、人生を選択するという意味でリードしているはずです。

■ 子どもがいる人でも、子どもの数や性別などで「マウンティング」があるらしいです。子どもがいる知り合いが嘆いていました。子どもがいるからハッピーというわけではないと思います。

 交流会の時間は80分ほど用意されていましたが、テーブルの十数人の参加者が1回ずつ話すと、すぐ終了時間になってしまいました。

 「子どもがいない女性は、子どもを産まないことを推奨しているわけではないのに、子どもがいないことを話すと否定されたり、つらい思いを理解してもらえなかったり、という状況に置かれてきました。子どもがいない女性、とひとくくりにしても、その理由や思いは人それぞれ。他の人の考えや生き方を否定するのではなく、多様な生き方を尊重できるようになることが目標です。それが子どもの有無にかかわらず、すべての女性が心地よく生きられる社会につながると思います」とマダネ プロジェクト代表のくどうみやこさんは話します。私たちメディアも、いろいろな状況に置かれている女性の声を満遍なく届けていくことが必要だと、改めて感じる取材でした。

取材・文/砂山絵理子(日経ARIA編集部)