第2部-1 大和証券グループのESGポイントはコレ!

<b>田代桂子(たしろ・けいこ)さん</b>/大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長 海外担当 兼 SDGs担当
田代桂子(たしろ・けいこ)さん/大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長 海外担当 兼 SDGs担当

 大和証券グループは、日本初のPCによるホームトレードを始めるなど、先進的な取り組みで資本市場の発展に貢献してきました。18年には、「SDGs推進委員会」を設立、本格的にSDGsに取り組み始めました。

 大和証券グループでは、08年に国内で初めて個人向けにワクチン債を引受・販売。NPO法人TABLE FOR TWO Internationalの「TFTプログラム」には13年から参加し、社内の自販機で飲料を1本購入するごとに1円を寄付するなど、途上国と先進国の食の不均衡を是正する取り組みにも力を入れています。女性活躍推進にも05年から取り組んできましたが、現在では、さらに多様な働きがい改革を推進しています。女性管理職比率は15年前の約6倍の15.9%に増えました。現在、MSCI社のESG格付けで「A」を取得しています。

 新型コロナウイルス感染症への対応の一つとして、個人向け社債「愛称:大和証券グループ未来応援ボンド」を発行し、発行総額750億円の0.15%を子ども支援団体の基金に寄付。また、業務を通じて介護や再生可能エネルギー、農業・食料分野などへも投資を広げています。

 20年にかけては新型コロナウイルス関連のSDGs債を引受・販売した他、SDGs/ESGに資する投資信託の開発、1株から投資できるスマートフォン完結型の新しい証券会社「CONNECT」のサービス開始なども行っており、お客様のSDGs/ESGの切り口で投資を始めてみたいというニーズにもお応えできるよう取り組んでいます。

 貯蓄からSDGsへ──大和証券はお金を回し、経済の発展と社会への貢献を両立させていきたいと考えています。

第2部-2 未来は次世代のためにある

<b>近藤佳代子(こんどう・かよこ)さん</b>/アサヒグループホールディングス Head of Sustainability
近藤佳代子(こんどう・かよこ)さん/アサヒグループホールディングス Head of Sustainability

 アサヒグループホールディングスは、グループ従業員の半数以上が海外のメンバーで、売上収益も国際事業が約3分の1を占め、事業利益は国際事業が4割を超える比率となっています。そして現在は、日本、欧州、豪州の3極体制を核とした、グローバルな価値創造経営を目指してビジネスを行っています。

 そうしたなか19年には「アサヒグループ・フィロソフィ」を制定。グループ理念の実現に向けたマイルストーンとして、中期経営方針を掲げました。その重点課題の一つが、「ESGへの取り組み深化」です。

 背景としては、世界の平均気温の変化や自然災害、海洋プラスチック問題、アルコール問題などが挙げられます。こうしたESGリスクは経営を揺るがす問題ですが、我々はこれを事業成長の機会と捉え、グループ全体でESGへの取り組みを推進・強化しています。具体的には、気候変動への対応として、「2050年までにCO2排出量ゼロを目指す」「再生可能エネルギーを活用する」など。持続可能な資源利用への対応としては、ラベルレスボトル、ビール用リユースカップ、食べられるカップなどの普及・活用が挙げられます。さらに、微生物・発酵技術活用の分野では、ビールの製造過程で発生した副産物を使った製品を開発。例えば、ビール酵母から生まれた農業資材(肥料)はゴルフ場や野球場の他、水はけの悪い水田跡地のサツマイモ畑でも利用され、収量アップに貢献しています。20年10月にはグリーンボンドを発行し、調達した資金は環境関連投資に充てています。

 アサヒグループは「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」に向けた攻めのESGを推進。社会の持続性と企業価値向上に取り組んでいきます。