人生における「逆転の一冊」を聞くリレー連載。今回はTRFのDJ KOOさんに聞きました。小室ファミリーの一員として爆発的ヒットを飛ばした後、活動休止を経てバラエティー番組で再びブレイク。そして56歳で見つかった脳動脈瘤(りゅう)、大手術からの復活…「親バカDO DANCE!!」という珍言で娘への愛を表現するDJ KOOさんを生まれ変わらせた絵本とは?
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(下)活動休止、大病…還暦越えDJ KOOが今も現役の理由
僕の人生には、3つのターニングポイントがある
編集部(以下、略) DJ KOOさんの逆転の一冊がこんなにハートウォーミングな絵本とは。意表を突かれました。
DJ KOOさん(以下、KOO) 驚きました? 『ラヴ・ユー・フォーエバー』(作:ロバート・マンチ、絵:梅田俊作、訳:乃木 りか/岩崎書店)、すごくいい絵本なんですよ。初めて読んだのは、もう20年ぐらい前になるので、40歳を過ぎた頃。娘に読み聞かせをしていたんです。
少し話がそれますが、人生の中で僕が大きく変わったポイントが3つあります。小室哲哉さんに出会ったこと、待望の子どもが生まれたこと、50代でバラエティー番組に出演し始めたこと。中でも子どもが生まれたとき、これまではDJとして高みを目指して生きてきたけど、ちゃんとした親になっていかなければと真面目に考え始めたんですね。大げさに聞こえるかもしれませんが「常識的な人になろう」と思った。「赤信号は渡らない」「ゴミはゴミ箱に捨てる」、当たり前のことを当たり前にできるようになろうと決め、親になる第一歩を進み始めたんです。
子どもが成長するにつれて、絵本にもすごく興味が湧いてきて。まずはスタンダードな絵本を集めて、読み聞かせをしました。何冊も読んだ中で、僕が最も感動したのが『ラヴ・ユー・フォーエバー』でした。
―― どこが印象に残っていますか?
KOO 本の中で、母親が何度も「アイ・ラヴ・ユーいつまでも」「アイ・ラヴ・ユーどんなときも」と子どもに語りかけるんですが、それがもう、すごくすてきな響きなんです。「言霊(ことだま)」じゃないですけど、思いをはっきり口にすることで自分の思いが強くなるし、子どもにもしっかり伝わる。子どもは親が自分を愛してくれていると分かって安心しますよね。娘はもう22歳になりますが、今でも僕との壁がないのは、しっかり愛を伝えてきたからじゃないかなって思うんですよね。
―― 母親から息子へ、息子から母親へのストレートなメッセージにグッときました。